映画基本情報

タイトル:聖なる呼吸 ヨガのルーツに出会う旅(Breath of the Gods – A Journey to the Origins of Modern Yoga)
公開年:2012年
監督:ヤン・シュミット=ガレ
出演:ティルマライ・クリシュナマチャリア、K・パタビ・ジョイス、B.K.S.アイアンガー、T.K.スリーバシャム
ジャンル:ドキュメンタリー
上映時間:105分
製作国:ドイツ/インド

作品について

「近代ヨガの父」と呼ばれるティルマライ・クリシュナマチャリア(1888〜1989)の生涯と教えを追ったドキュメンタリー。ドイツ人監督ヤン・シュミット=ガレが5年の歳月をかけてインドを訪ね、クリシュナマチャリアの子供たちや伝説的な弟子たちにインタビューを重ねた。世界中で実践されているアシュタンガヨガ(パタビ・ジョイス創始)とアイアンガーヨガ(B.K.S.アイアンガー創始)は、どちらもクリシュナマチャリアの教えから生まれたものだ。撮影中にパタビ・ジョイスが逝去したため、本作はその生前の貴重な映像を収める記録としても重要な作品となっている。

ヨガの達人たちの名言集

名言①「知識は財産であり宝だ。物は盗まれても、知識は教えない限り誰にも奪えない」

― ティルマライ・クリシュナマチャリア(娘アラメールが紹介)

コトバミンでも以前から取り上げてきた名言で、クリシュナマチャリアが子供たちによく語っていた言葉として、映画の中で次女アラメールが紹介しています。インドの古来の価値観「知識こそ最大の財産」を体現した言葉であり、100歳を超えてなお弟子に教えを伝え続けたクリシュナマチャリア自身の生き方そのものを示しています。

名言②「呼吸と動きを同調させなければ、ヨガではない」

― ティルマライ・クリシュナマチャリア(娘シュバが紹介)

コトバミンでも以前から取り上げてきた名言で、映画の中でクリシュナマチャリアの三女シュバが紹介しています。公式プレスサイト(breathofthegods.com)でも確認されている言葉です。ただポーズを取るだけなら単なる体操であり、呼吸と動きが一体になって初めてヨガになるというクリシュナマチャリアの核心的な教えです。現代のヴィンヤサ・ヨガやアシュタンガ・ヨガの基礎となっています。

名言③「ヨガは常に可能だ」

― K・パタビ・ジョイス

映画の公式プレスサイト(breathofthegods.com)で確認されている名言。監督がロータスポーズに挑戦して失敗するシーンで、パタビ・ジョイスが繰り返し励ます場面から。アシュタンガ・ヨガの創始者として世界中に弟子を持つジョイスが、ポーズへの挑戦をやめない監督に語りかける「Yoga is always possible」という言葉は、ヨガの可能性の無限さと師の温かさを同時に表しています。

名言④「体を完全に制御できれば、それが心の制御につながる」

― K・パタビ・ジョイス(映画中のインタビューより)

コトバミンでも以前から取り上げてきた名言で、映画中のパタビ・ジョイス本人のインタビューから。アシュタンガ・ヨガの目的が単なる身体鍛錬ではなく、身体を通じた精神の浄化と制御にあることを示しています。撮影中にこの世を去ったジョイスの言葉を映像に残せたことは、本作の歴史的価値を高めています。

名言⑤「ヨガの目的は3つ:健康な体、健全な心、集中力を得ること」

― ティルマライ・クリシュナマチャリア(チェンナイ大学での教えより、息子スリーバシャムが紹介)

コトバミンでも以前から取り上げてきた名言で、クリシュナマチャリアがチェンナイの大学でヨガを教えていた時代の教えを、三男スリーバシャムが映画の中で紹介しています。「ヨガ=柔軟体操」という現代の誤解とは正反対に、肉体・精神・集中力の三位一体を目指す哲学的実践であることを明示した言葉です。

名言⑥「私の若い頃、ヨガはインド人にとっても全く馴染みのないものだった」

― B.K.S.アイアンガー

Motherhood Community・映画レビューサイトで確認されている名言。アイアンガーが映画中のインタビューで語る言葉で、原文は「In my early days, Yoga was an alien subject to the Indians also.」です。現在では世界中で実践される「ヨガ」が、わずか100年前のインドでさえ一般には全く知られていなかったという事実を、クリシュナマチャリアの偉業を理解する上で最重要の証言として語っています。

この映画が刺さる人・おすすめのシーン

「ヨガに興味がない人でも楽しめる」のがこのドキュメンタリーの特徴です。本作は「世界に広まったヨガはどこから来たのか」という歴史的謎を解く旅であり、インド文化・哲学・近代史への興味があれば十分楽しめます。特に必見なのは、1930年代に撮影されたクリシュナマチャリア本人のヨガ実践の白黒映像。当時まだ40代の彼が見せる超人的な体の柔軟性と制御は、まさに「魔法」と評されるほど印象的です。また、90代のパタビ・ジョイスが西洋人監督にヨガを指導するシーンのユーモアと温かさも見どころです。

作品データ・受賞歴

2012年公開。ドイツ・オーストリア・スイスで90,000人以上の観客を動員し、その後英語版も英国・米国で公開されました。The Guardian・Empire・Total Filmなど英国の映画専門誌に掲載されています。クリシュナマチャリア(1888〜1989)は101歳まで生き、現代に普及するほぼ全てのヨガスタイルに影響を与えた人物です。本作には、撮影中に亡くなったパタビ・ジョイス(1915〜2009)の最晩年の映像が収録されており、記録映像としての価値が高い作品です。

主な登場人物

ティルマライ・クリシュナマチャリア(1888〜1989):近代ヨガの父。101歳まで生き、アシュタンガ・ヨガ、アイアンガー・ヨガなど現代の主要ヨガスタイルの源流を作った。
K・パタビ・ジョイス(1915〜2009):クリシュナマチャリアの弟子。アシュタンガ・ヨガの創始者。撮影中に逝去。
B.K.S.アイアンガー(1918〜2014):クリシュナマチャリアの弟子かつ義弟。アイアンガー・ヨガの創始者。著書「Light on Yoga」は世界的ベストセラー。
T.K.スリーバシャム:クリシュナマチャリアの三男。父の教えの継承者として映画に多数登場。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★(4/5)

ヨガの世界的普及の裏に、一人のインド人賢者の驚くべき人生があったことを丁寧に伝えるドキュメンタリーです。1930年代の白黒映像と現代のインタビューを組み合わせた編集が美しく、「ヨガの源流を巡る旅」の臨場感があります。ヨガ実践者にとっては必見の一作。ヨガを知らない人でも、インド文化・哲学・近代史への新たな扉を開いてくれる作品です。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・公式サイト(breathofthegods.com)・映画批評サイトなど複数のソースで確認済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文・出典を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。