映画基本情報

タイトル:ゴースト ニューヨークの幻(Ghost)
公開年:1990年
監督:ジェリー・ザッカー
脚本:ブルース・ジョエル・ルービン
出演:パトリック・スウェイジ、デミ・ムーア、ウーピー・ゴールドバーグ
受賞:アカデミー賞 助演女優賞(ウーピー・ゴールドバーグ)・脚本賞受賞
上映時間:127分

あらすじ

ニューヨークの銀行員サム(パトリック・スウェイジ)は恋人のモリー(デミ・ムーア)と幸せな日々を送っていた。ある夜、強盗に命を奪われたサムは幽霊となって現世に留まる。

モリーへの危険を察知したサムは、霊媒師オダ・メイ(ウーピー・ゴールドバーグ)を通じて彼女に接触しようとする。

1990年の全米興行収入第1位、世界興行収入5億ドル超を記録した大ヒット作。

登場人物紹介

サム・ウィート(パトリック・スウェイジ):ニューヨークの銀行家。殺害されて幽霊となり、恋人モリーを守ろうとする。スウェイジの役はブルース・ウィリス、トム・ハンクス、ハリソン・フォードなど多くの俳優が断った後に実現。

オーディションで台本を読み上げた際、監督も涙を流して採用を即決した。
モリー・ジェンセン(デミ・ムーア):陶芸家でサムの恋人。

サムの死後、正体不明の危険にさらされる。ミシェル・ファイファー、メグ・ライアン、ジュリア・ロバーツらが候補に挙がり、最終的にデミ・ムーアが起用された。この役がムーアを90年代の最高額女優へと押し上げた。


オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ):インチキ霊媒師だったが、実際にサムの声が聞こえてしまう。

アカデミー賞助演女優賞受賞。ティナ・ターナー、オプラ・ウィンフリーも候補だったが、スウェイジが強くゴールドバーグを推薦した。
カール・ブルーナー(トニー・ゴールドウィン):サムの親友を装う銀行家で、実は殺害を依頼した黒幕。

監督は「彼は良い人に見えすぎる」と不安だったが、その「親しみやすさ」こそが悪役を際立たせた。

心に残る名言集

名言①「ディットー(俺も)」

“Ditto.”
― サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)

モリーが「愛してる」と言うたびに、サムが返す口癖。「愛してるよ」と素直に言えない不器用な愛情表現——そして死の間際、サムが初めて「愛してる、モリー。ずっと愛していた」と告白した時、「ディットー」という言葉の持つ重さが倍増する。

映画史上最もシンプルで深い愛の言葉だ。

名言②「愛してる、モリー。ずっと愛していた」

“I love you, Molly. I’ve always loved you.”
― サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)

オダ・メイの体を借りてモリーに伝えるサムの言葉。「ディットー」しか言えなかった男が、死んで初めて素直に愛を告白する——この場面で涙が止まらない人が世界中にいる。

名言③「素晴らしいよ、モリー。愛は永遠に続く——それを持って逝ける」

“It’s amazing, Molly. The love inside… you take it with you.”
― サム・ウィート(パトリック・スウェイジ)

光の中へ消えゆく直前にサムがモリーに語りかける最後の言葉。死後の世界への旅立ちを前に、愛だけが永遠に続くものだと伝える——映画史上最も美しい別れのシーンのひとつだ。

名言④「天国に行きたいんじゃない。銀行に行って小切手を換金したいのよ!」

“I don’t want to go to Heaven, I want to go to the bank and cash a goddamn check!”
― オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ)

霊媒師オダ・メイが修道女たちに400万ドルの小切手を寄付した後、サムが「これで天国に行ける」と言ったのに対する痛快な返し。ウーピー・ゴールドバーグの絶妙なコメディセンスが映画全体の緊張を見事に緩和する。

名言⑤「彼はずっと私に『ヘンリー8世』を歌い続けた」

“He kept me up all night singing ‘I’m Henry the Eighth I Am.’”
― オダ・メイ・ブラウン(ウーピー・ゴールドバーグ)

幽霊のサムが存在を知らせるために霊媒師オダ・メイの耳元で「ヘンリー8世」を延々と歌い続けたというエピソード。最初は信じなかったオダ・メイが協力を決意した理由——コメディの中に真剣さが宿るこの映画の魅力が凝縮されている。

名言⑥「道は左にある——もう一方の左よ」

“Door on your left.” / “Your other left.”
― サム(パトリック・スウェイジ)とオダ・メイ

霊には見えない幽霊が霊媒師に指示を出しながら混乱する場面。左右を間違えるという人間的なユーモアが、緊張した場面に絶妙なコメディを差し込む。スウェイジとゴールドバーグのケミストリーが光る瞬間だ。

こんな人におすすめ・必見シーン

純粋なラブストーリーが好きな方、そして「愛は死を超える」というテーマに共鳴できる方に届けたい作品です。この映画の核心は「さよならを言えないまま逝ってしまった愛」への癒しにあります。

特に必見なのはロクロのシーン——ライチャス・ブラザーズの「Unchained Melody」が流れる中、モリー(デミ・ムーア)が陶芸をしているところにサム(パトリック・スウェイジ)が後ろから手を重ねる場面は、映画史上最もセクシーで切ないシーンのひとつとして語り継がれています。

このシーンはもともと台本になく、原作者のブルース・ジョエル・ルービンが自宅の陶芸スタジオでインスピレーションを得て書き加えました。

ムーアは撮影前に本物の陶芸を学び、スウェイジは「俺がこれまでに撮影した中で最もセクシーなシーンだ」と語っています。「Unchained Melody」はもともと1955年の映画「Unchained」のために書かれ、1965年にライチャス・ブラザーズが録音した曲。

映画での使用後に再リリースされ、1990年英国シングルチャートで1位を獲得し、その年の英国最売れシングルとなりました。

また、ウーピー・ゴールドバーグのコミカルかつ感動的な霊媒師シーンも見逃せません。パトリック・スウェイジが彼女の出演を強く推薦し、監督がアラバマまで会いに行ったという逸話も有名です。

作品データ・制作秘話

1990年公開。製作費2,200万ドルに対し世界興行収入は5億500万ドルを超え、1990年の世界最高興行収入を記録(ホームアローン、プリティ・ウーマンをも上回った)。公開当時は英国でE.T.を抜いて歴代最高興行収入を更新し、3年間その記録を保持。

アカデミー賞では作品賞・助演女優賞(ウーピー・ゴールドバーグ)・脚本賞など5部門にノミネートされ、ゴールドバーグと脚本賞を受賞。

監督ジェリー・ザッカーはそれまで「フライング・ハイ」などコメディ専門だったが、本作が初のドラマ映画。スウェイジは2009年に膵臓がんで57歳で亡くなり、この映画はより深い追悼の意味を持つようになった。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★★(5/5)

1990年全米興行収入第1位、世界で5億ドル超。パトリック・スウェイジの甘いマスクとデミ・ムーアの美貌、そしてウーピー・ゴールドバーグのアカデミー賞受賞の怪演——三者三様の個性が完璧な化学反応を起こした。

陶芸シーンとライチャス・ブラザーズの「アンチェインド・メロディ」は映画史上最もロマンチックな組み合わせのひとつ。

「ディットー」という一言の重さを噛みしめながら観てほしい。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。