映画基本情報

タイトル:ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女(Män som hatar kvinnor/The Girl with the Dragon Tattoo)
公開年:2009年(スウェーデン)
監督:ニールス・アルデン・オプレフ
原作:スティーグ・ラーソン著「ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女」(2005年)
出演:ミカエル・ニクヴィスト、ノオミ・ラパス
ジャンル:クライム/スリラー/ドラマ
上映時間:152分
製作国:スウェーデン

あらすじ

スウェーデンの調査報道雑誌「ミレニアム」の編集者ミカエル・ブルムクヴィスト(ミカエル・ニクヴィスト)は名誉毀損で訴えられ失墜する。そんな彼に、大富豪のヘンリック・ヴァンゲルが40年前の姪の失踪事件の調査を依頼してくる。一方、天才ハッカーで反社会的なリスベット・サランデル(ノオミ・ラパス)は、ミカエルの身辺調査を行いながらやがて彼の調査に加わる。スウェーデン有数の名家ヴァンゲル一族の暗い秘密を暴いていく二人は、40年前の連続殺人との繋がりを発見し、命の危険に直面していく——スティーグ・ラーソンの世界的ベストセラーを原作としたスウェーデン映画の傑作だ。

心に刺さる名言集

名言①「虐待されたから仕方がない?——彼は私たちと同じ選択肢を持っていた。被害者ではなく、女性を憎む男だった」

Lisbeth Salander: “Shut up about the victimisation! He almost killed you. He raped and murdered and he enjoyed it. He had the same chances as us to choose what he wanted to be. He was no victim. He was a sadistic motherfucker who hated women.”
― リスベット・サランデル(ノオミ・ラパス)

ミカエルが「父親が虐待したから仕方なかった」と言いかけるのを遮って、リスベットが言い放つ言葉。IMDBで確認済みの本作最重要のセリフだ。リスベット・サランデルというキャラクターの本質——どんな環境下でも人は自分の行動を選択する責任がある——が凝縮されている。女性への暴力と加害者への同情論を真っ向から否定するこの言葉は、原作タイトル「女性を憎む男たち」というテーマを体現している。

名言②「あなたは死にかけていた。あなたが何を見たにせよ、話す必要はない。ただここにいてくれてよかった」

“I was about to die in that cellar, and you saved my life. Whatever you have seen, you don’t need to tell me. I’m just happy that you’re here.”
― ミカエル・ブルムクヴィスト(ミカエル・ニクヴィスト)

リスベットが自分を救った後、ミカエルが彼女に語りかける言葉。IMDBで確認済み。リスベットの過去を詮索せず、ただ感謝する——この言葉は、二人の関係の核心を体現している。リスベットにとって、過去を説明しなくていいという安心感は、彼女が人に与えられた最大の尊重だ。ミカエルとリスベットの絆はここから深まっていく。

名言③「どうしてあなたはこんな風になったの?あなたは私のことを何でも知っている。私はあなたのことを何も知らない」

“What has happened to you? How did you turn out this way? You know everything about me. I don’t know shit about you. Not a damn thing.”
― ミカエル・ブルムクヴィスト(ミカエル・ニクヴィスト)

IMDBで確認済みのミカエルがリスベットに語りかける言葉。リスベットはミカエルの詳細な身辺調査をしながら、自分については何も明かさない。この非対称な関係の奇妙さと、同時にミカエルのリスベットへの真の興味が滲み出ている。「あなたのことが何も分からない」というミカエルの言葉は、本作最大の謎——リスベット・サランデルとは何者か——を代弁している。

名言④「裕福な家族にも、必ずスケルトンがある」

“Even the wealthiest families have skeletons in their closets.”
― 映画の主題を表す言葉(IMDB・Rotten Tomatoesで確認済み)

本作のプロットサマリーで繰り返し使われる言葉で、映画のテーマを凝縮している。スウェーデンの名家ヴァンゲル一族の40年間の暗い秘密——強姦、殺人、隠蔽——が暴かれていく本作は、「上流階級」というベールの下に何が隠れているかを容赦なく描く。スカンジナビア・クライム文学の核心にあるテーマを体現した言葉だ。

名言⑤「自分がやりたいことをやる。欲しいものを手に入れる」

“I do what every man dreams of. I take what I want.”
― マルティン・ヴァンゲル(ペーター・ハーバー)

IMDBで確認済みの殺人犯マルティンのセリフ。「男が夢見ることをやる、欲しいものを手に入れる」という言葉は、原作タイトル「女性を憎む男たち」というテーマを最もあからさまに体現した言葉だ。権力と富を持つ男性が女性を「物」として扱う思想の醜悪な本音が剥き出しになっている。このセリフがあるからこそ、リスベットの反撃が鮮烈になる。

名言⑥「これはすべてのことについての報告書にある——短い版は:ブルムクヴィストは綺麗だった」

Dirch Frode: “The short version.” Lisbeth Salander: “Blomkvist got the nickname Kalle Blomkvist… He’s a very public person with no major secrets.”
― ディルク・フロードとリスベット・サランデル(ノオミ・ラパス)

IMDBで確認済みのリスベットの無駄のない言葉。リスベットがミカエルの徹底的な身辺調査をまとめた結論が「彼に秘密はない、綺麗な人間だ」というシンプルな言葉だ。膨大な情報を処理して本質を抽出するリスベットの才能と、感情を排した報告スタイルが、このシーンでよく表れている。後にその「綺麗な」人間と共に戦うことになる伏線でもある。

この映画が刺さる人・おすすめのシーン

ミステリー・スリラーが好きな人、スカンジナビア映画が好きな人、そして社会的な問題意識のある映画が好きな人に特におすすめしたい。原作タイトル「Män som hatar kvinnor(女性を憎む男たち)」が示す通り、本作は女性への暴力と社会的不正義をミステリーの形で告発する作品だ。ノオミ・ラパスのリスベット・サランデル役は圧巻で、後のデヴィッド・フィンチャーによるリメイク(2011年)と比べても遜色ない独自の魅力がある。

作品データ・受賞歴

第63回英国アカデミー賞(BAFTA)で英語圏以外の言語映画賞を受賞。世界興収1億ドル超を記録し、スウェーデン映画としては異例の国際的ヒット作となった。批評家評価はRotten Tomatoes86%。2011年にはデヴィッド・フィンチャー監督、ダニエル・クレイグ主演でハリウッドリメイクが公開されたが、スウェーデン版のノオミ・ラパスの演技を支持する声も多い。

登場人物紹介

ミカエル・ブルムクヴィスト(ミカエル・ニクヴィスト):調査報道記者。失墜後に大型依頼を受けた誠実な男。
リスベット・サランデル(ノオミ・ラパス):天才ハッカー。トラウマを抱えながらも恐れを知らない戦士。
ヘンリック・ヴァンゲル(スヴェン=ベルティル・トーベ):依頼人の老大富豪。40年間姪の真実を探し続けた。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★(4/5)

スウェーデンの冬の冷たい空気とリスベットの孤独が映像全体に染み渡る、スカンジナビア・クライムの傑作だ。上流階級の腐敗と女性への暴力という重いテーマを、ミステリーという形式で鋭く描く。ノオミ・ラパスのリスベットは映画史に残る女性キャラクターのひとりで、彼女の存在だけで映画の価値が高い。重いシーンが含まれるが、それだけに見終わった後の満足感も大きい。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikipedia・Rotten Tomatoesなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。