1994年、チャック・ラッセル監督・ジム・キャリー主演。臆病な銀行員がロキ神の力を持つ謎のマスクをかぶることで、無敵のカートゥーンヒーロー「マスク」に変身するSFアクションコメディ。キャメロン・ディアスの映画デビュー作でもある。
ジム・キャリーの超絶的な身体能力と表現力が爆発した出世作のひとつ。CGとキャリーの肉体演技が融合した映像は公開から30年以上たった今もインパクト絶大。IMDb6.9点・全世界興行収入3億5100万ドル。
映画基本情報
タイトル:マスク(The Mask)
公開年:1994年
監督:チャック・ラッセル
脚本:マイク・ウェルブ
原作:ダーク・ホース・コミックス「The Mask」
音楽:ランディ・エデルマン
出演:ジム・キャリー(スタンリー・イプキス/マスク)、キャメロン・ディアス(ティナ・カーライル)、ピーター・グリーン(ドリアン・タイレル)、ピーター・リーガート(ケラウェイ警部補)
上映時間:101分
製作:ニュー・ライン・シネマ
全世界興行収入:3億5100万ドル
アカデミー賞:視覚効果賞ノミネート
あらすじ
銀行員のスタンリー・イプキス(ジム・キャリー)は、おとなしくて融通が利かず、誰にでも頭が上がらない情けない男。車の修理は業者に騙され、上司にはどなられ、ナイトクラブにも入れず——そんなスタンリーがある夜、川べりで謎の木製マスクを拾う。
マスクをかぶると、スタンリーは北欧神話の悪戯神ロキの力を持つ超人「マスク」に変身する。緑の顔と黄色いスーツに身を包んだマスクは、誰も止められない無敵のカートゥーンキャラクターのように自由奔放に暴れ回り、理不尽な仕打ちをしてきた人々への復讐を果たしていく。
しかしマスクの存在は犯罪組織のボス、ドリアン・タイレル(ピーター・グリーン)の注目も集めてしまう。スタンリーが恋するナイトクラブのシンガー、ティナ(キャメロン・ディアス)も危険にさらされていく中、スタンリーはマスクの力に頼るか、自分自身の力で立ち向かうかの選択を迫られる。
心に残る名言集
名言①「誰か俺を止めてくれ!」
“Ooh, somebody stop me!”
― マスク(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net・Movie Mistakes確認済み。鏡の前でポーズを決めながら繰り出す本作最大の決めゼリフ。「止めてくれ」と言いながら全く止まる気がないマスクの無敵感と暴走ぶりを象徴する台詞で、90年代を代表するポップカルチャーの名言として定着した。
名言②「スモーキン!(最高だぜ!)」
“Ssssssssmokin’!”
― マスク(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。マスクが何か派手なことを成し遂げた時に雄叫びのように放つ一言。ジム・キャリーの独特の発音と身体全体を使った表現で、「誰か俺を止めてくれ!」と並ぶ本作の顔となる台詞。90年代の日本でも爆発的に流行した。
名言③「パーティータイムだ!P・A・R・T・Y——なぜかって? そうしなきゃいけないから!」
“It’s party time! P, A, R, T, why? Because I gotta!”
― マスク(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote確認済み。クラブに繰り出す前に鏡の前でマスクが決めるポーズとともに放つ台詞。P・A・R・T・Yという文字遊びと最後の「gotta(しなきゃいけない)」のオチが絶妙で、キャリーの天才的なコメディセンスが光る。
名言④「私たちは皆マスクをつけている——比喩的な意味でね」
“We all wear masks… metaphorically speaking.”
― ドクター・ニューマン(リチャード・ジェニ)
IMDb・Quotes.net確認済み。精神科医がスタンリーに語る台詞。映画のテーマを象徴する言葉で、「マスク」が単なる超能力道具ではなく、人間が社会でかぶっているペルソナの象徴でもあることを示している。コメディの中に潜む深いメッセージ。
名言⑤「お前はよくやった——でも俺がいる限り、お前は永遠に二番手だ」
“You were good kid, real good. But as long as I’m around, you’ll always be second best, see?”
― マスク(ジム・キャリー)
IMDb・Quotes.net確認済み。マスクがドリアンに成り代わった際に放つ台詞。古典的なギャング映画のパロディとしても機能しており、マスクのカートゥーン的な「悪役らしさ」を笑いに変える名場面。
こんな人におすすめ・必見シーン
90年代映画が好きな方、ジム・キャリーの絶頂期を見たい方、ルーニー・テューンズのようなカートゥーン的コメディが好きな方にぜひ。キャメロン・ディアスのデビュー作として歴史的な価値もある。映像技術的には古いが、キャリーの肉体芸は今見ても驚異的で全く古びない。
必見シーン①:初変身シーン。スタンリーがマスクをかぶって初めてマスクに変身する場面。顔が溶けてカートゥーン的に変形するCGと、キャリーの全身を使った変態演技が融合し、1994年に世界を驚かせた映像は今も圧巻。
必見シーン②:クラブでのマンボダンス。ナイトクラブでマスクがティナとダンスを踊る場面。ジム・キャリーの天性のリズム感と身体能力が爆発した、映画で最も楽しい場面のひとつ。
必見シーン③:警察の包囲からの脱出。公園で警察に包囲されたマスクが、全身のポケットから次々と奇想天外なものを取り出して警察をかわす場面。「コンドーム——あ、ポケット違い」の即興台詞を含むジム・キャリーらしい爆笑シーン。
登場人物紹介
スタンリー・イプキス/マスク(ジム・キャリー):臆病な銀行員とカートゥーン的超人の二役。スタンリーとしての小市民的な悲哀とマスクとしての破天荒な暴走を、キャリーが驚異的なメリハリで演じ分ける。本作はキャリーが世界的スターの地位を確立した出世作。
ティナ・カーライル(キャメロン・ディアス):ナイトクラブのシンガー。本作が映画デビューとなったディアスは、オーディションで約1500人の候補者を抑えて選ばれた。この映画の成功が彼女のキャリアを決定づけた。
ドリアン・タイレル(ピーター・グリーン):犯罪組織のボス。マスクの力を手に入れようとする悪役で、ピーター・グリーンの冷酷な演技がコメディの中に緊張感をもたらす。「パルプ・フィクション」にも同年出演した実力派俳優。
作品データ・制作秘話
本作のCGを担当したのはILM(インダストリアル・ライト&マジック)。キャリーの顔を実際に変形させているように見えるCGは当時最先端の技術で、アカデミー賞視覚効果賞にノミネートされた。ジム・キャリー自身も多くのシーンでスタントなしの身体芸を披露している。
公園のシーンでポケットからさまざまなものを取り出す場面で、キャリーがコンドームを取り出して「あ、ポケット違い」と言うシーンはアドリブだったと言われている。監督のチャック・ラッセルはこの即興演技を気に入りそのまま採用した。
原作のダーク・ホース・コミックスではマスクの暴力描写はかなりグロテスクだが、映画版ではキャリーの明るいコメディカラーに合わせてほぼ全てのバイオレンスをカートゥーン的な笑いに変換している。この決断が映画を幅広い層に楽しめる娯楽作にした。
2005年に「マスク2(Son of the Mask)」が製作されたが、ジム・キャリーは出演を断り別のキャストで製作された結果、批評的にも興行的にも大失敗に終わった。本作のジム・キャリーあってのシリーズであることを証明するエピソード。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★☆(4/5)
ジム・キャリー全盛期の身体能力と表現力を最大限に引き出した傑作コメディ。「誰か俺を止めてくれ!」「スモーキン!」といった台詞は30年たった今も日常会話に使われており、映画の影響力の大きさを示している。ストーリーはシンプルだが、それがかえってキャリーの演技を際立たせている。
「私たちは皆マスクをつけている」というドクター・ニューマンの言葉が示すように、本作は単なるコメディを超えて「本当の自分」というテーマを笑いの中に忍ばせた映画でもある。笑いながら、ちょっとだけ考えさせられる——それがこの映画の魅力だ。同じジム・キャリー作品として映画「イエスマン」もあわせてどうぞ。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。