1985年、ロバート・ゼメキス監督・スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮が生み出した、時間旅行SFコメディの金字塔。マイケル・J・フォックスとクリストファー・ロイドが作り上げた「マーティとドク」のコンビは、映画史上最も愛されるデュオのひとつだ。
アカデミー賞音響編集賞受賞・IMDb8.5点。1989年・1990年と続編が作られ、3部作すべてが高い評価を得ている。
映画基本情報
タイトル:バック・トゥ・ザ・フューチャー(Back to the Future)
公開年:1985年
監督:ロバート・ゼメキス
脚本:ロバート・ゼメキス&ボブ・ゲイル
音楽:アラン・シルヴェストリ
出演:マイケル・J・フォックス、クリストファー・ロイド、リー・トンプソン、クリスピン・グローヴァー、トーマス・F・ウィルソン
上映時間:116分
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ
全世界興行収入:3億8100万ドル(1985年当時の最高記録)
アカデミー賞:音響編集賞受賞
あらすじ
1985年のヒル・バレーに住む高校生マーティ・マクフライは、天才科学者ドク・ブラウンと親友だ。ドクが発明したタイムマシンはデロリアン——時速88マイルで時間を超える装置だ。
ある夜、テロリストに追われてデロリアンに乗り込んだマーティは、誤って1955年にタイムスリップしてしまう。そこで若い頃の両親と出会い、ふたりが恋に落ちる前に母親がマーティに恋してしまうという大混乱が起きる。
自分が生まれるために両親の仲を取り持ちながら、1985年に帰る方法を1955年のドクと一緒に考える——タイムパラドックスとコメディが絡み合う傑作だ。
心に残る名言集
名言①「道? これから行くところに、道は要らない」
“Roads? Where we’re going, we don’t need roads.”
― ドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)
映画のラスト、空飛ぶデロリアンで未来へ飛び立つ直前に告げる一言。「可能性は無限大」という映画全体のメッセージを凝縮した、映画史上最もワクワクするエンディングの言葉。この台詞でドクがサングラスをかける瞬間は、80年代映画の最高のクールシーンのひとつ。
名言②「もし計算が正しければ、この車が時速88マイルに達した瞬間——とんでもないことが起きる」
“If my calculations are correct, when this baby hits 88 miles per hour, you’re gonna see some serious shit.”
― ドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)
タイムマシンの初デモンストレーションでドクが告げる台詞。「88マイル」と「タイムトラベル」が結びつく、映画史上最も興奮する発射シーンへの前振り。クリストファー・ロイドの大げさな演技がこのシーンの快楽を倍増させている。
名言③「ちょっと待ってくれ、ドク。デロリアンでタイムマシンを作ったって言うのか?」
“Wait a minute. Are you telling me you built a time machine… out of a DeLorean?”
― マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)
ドクの発明を最初に見た瞬間のマーティの驚き。「なぜデロリアンなのか?」という突っ込みに対するドクの回答「どうせ作るなら、スタイルにこだわらないと」が続く。このやり取りが映画の雰囲気を完璧に定義している。
名言④「グレート・スコット!」
“Great Scott!”
― ドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)
衝撃や驚きの際に繰り返されるドクの口癖。イギリスの古風な感嘆詞をアメリカ人科学者が使うというキャラクター設定を示すと同時に、クリストファー・ロイドの大げさな演技と組み合わさって映画のユーモアを体現している。
名言⑤「ロナルド・レーガン? あの俳優が大統領? じゃあ副大統領はジェリー・ルイスか?」
“Ronald Reagan? The actor? Then who’s vice president? Jerry Lewis?”
― ドク・ブラウン(クリストファー・ロイド)
1955年のドクが「1985年の大統領はロナルド・レーガン」と聞いて仰天する場面。映画公開当時の時事ネタが今も笑えるのは、この台詞が「時代の文脈を超えた面白さ」を持つから。実際にレーガン大統領がこのシーンを見て笑い声を上げ、もう一度見直したという逸話がある。
名言⑥「本気を出せば、なんでも達成できる」
“If you put your mind to it, you can accomplish anything.”
― マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス)/ジョージ・マクフライ(クリスピン・グローヴァー)
ドクが口癖のように言っていた言葉として劇中で繰り返される台詞。マーティが父ジョージに伝え、後にジョージ自身が実践する——この言葉の「手渡し」が映画の感動を作り出している。
こんな人におすすめ・必見シーン
SFが苦手な方も安心してほしい——これはSF映画というよりも、「家族の絆」と「友情」と「自分を信じること」を描いた普遍的なコメディドラマだ。時間旅行はあくまでその舞台装置に過ぎない。
必見シーン①:マーティがギターを弾く「Johnny B. Goode」のシーン。1955年の高校ダンスパーティーで、マーティが次第に興奮してロックを弾き始め「ちょっとやりすぎたかな」と苦笑いする場面は、映画史上最もユーモラスな文化交差シーン。
必見シーン②:雷の日の時計台。時計台に雷が落ちる瞬間にデロリアンが88マイルに達するという綱渡りのシーンは、映画史上最高のクライマックスのひとつ。アラン・シルヴェストリの音楽が緊張感を最高潮に引き上げる。
必見シーン③:「道は要らない」のラストシーン。全ての問題が解決した後、空に向かって飛び立つデロリアン——1985年時点では誰も「空飛ぶ車」が現実になるとは思っていなかった。このエンディングが後の2部作を予告する瞬間は、今も鳥肌が立つ。
登場人物紹介
マーティ・マクフライ(マイケル・J・フォックス):当初エリック・ストルツがキャスティングされ5週間撮影したが、監督が「コメディのテンポが合わない」と判断して降板。マイケル・J・フォックスに変更したのは、当時TV番組「ファミリー・タイズ」に出演中で撮影スケジュールが困難だったにもかかわらず、完璧にはまった。
ドク・ブラウン(クリストファー・ロイド):映画の脚本を200社以上の映画会社に断られ続けた中で、ロイドは脚本を読んですぐに出演を快諾した。「ドクのインスピレーションはアインシュタインとストコフスキーの融合」とロイド自身が語っている。
作品データ・制作秘話
脚本はロバート・ゼメキスとボブ・ゲイルが書いたが、40以上の映画会社に断られた。最終的にスピルバーグが製作総指揮として参加したことで実現。公開初年度に当時の興行収入記録を更新する大ヒットとなった。
デロリアン(DMC-12)はジョン・デロリアンが1970年代に設計したステンレス製の車。製造会社は1982年に倒産しており、映画公開当時はすでに絶版車だった。映画で使用されたデロリアンのうち1台は今もユニバーサルスタジオに展示されている。
「フラックス・キャパシター(フラックス容量装置)」という架空の装置の名前は、ゼメキスとゲイルが「全くでたらめだが科学っぽく聞こえる名前」を考えて命名した。現在ではポップカルチャーの定番ワードとして定着している。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★★(5/5)
コメディ・SFアドベンチャー・家族ドラマ・ロマンスがすべて完璧なバランスで融合した奇跡の映画。「道? 要らない」という最後の一言が今もワクワクさせてくれる映画は、世界中を探してもそう多くない。
世代を超えて愛される理由はシンプルで、誰もが「過去に戻れたら」と思ったことがあるから。マーティとドクが紡ぐ友情の物語は、時代と国境を超えて語り継がれる普遍的な宝物だ。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。