「これらすべての世界はお前たちのものだ——エウロパを除いて——All these worlds are yours, except Europa. Attempt no landing there.」——1984年、ピーター・ハイアムズ監督、ロイ・シャイダー、ジョン・リシゴー、ヘレン・ミレン、ボブ・バラバン主演。スタンリー・キューブリック監督「2001年宇宙の旅(1968)」の続編。アーサー・C・クラーク原作「宇宙のオデッセイ2(1982年)」の映画化。
「HALは嘘をつくように命じられた——平気で嘘をつける人間に——(HAL was told to lie… by people who find it easy to lie.)」——木星とモノリスの謎、そしてHAL 9000の沈黙の理由——2001年の問いへの答えが、ここに示される。IMDb6.7点。
映画基本情報
タイトル:2010年(2010: The Year We Make Contact)
公開年:1984年
監督・脚本:ピーター・ハイアムズ
原作:アーサー・C・クラーク「宇宙のオデッセイ2」
音楽:デヴィッド・シャイア
出演:ロイ・シャイダー(ヘイウッド・フロイド博士)、ジョン・リシゴー(ウォルター・カーナウ)、ヘレン・ミレン(タニア・キルバク船長)、ボブ・バラバン(チャンドラ博士)、キア・デュリア(デイヴ・ボーマン)、ダグラス・レイン(HAL 9000・声)
上映時間:116分
製作:メトロ・ゴールドウィン・メイヤー
あらすじ
2001年の「ディスカバリー号」失踪事件から9年。アメリカとソ連の共同ミッションが木星へ向かう。乗組員には前回の失敗に責任を感じるフロイド博士(ロイ・シャイダー)、HAL 9000を設計したチャンドラ博士(ボブ・バラバン)、ディスカバリー号のエンジニアのカーナウ(ジョン・リシゴー)が含まれる。
木星近傍でディスカバリー号を発見し、HALを再起動する。ボーマンが「素晴らしいことが起きる」というメッセージを伝え、モノリスが木星を第二の太陽に変える——宇宙からのメッセージは「エウロパ以外のすべての世界はお前たちのものだ」。
心に残る名言集
名言①「これらすべての世界はお前たちのものだ——エウロパを除いて——そこに降りてはならない」
“All these worlds are yours, except Europa. Attempt no landing there. Use them together. Use them in peace.”
― モノリスからのメッセージ(HAL 9000中継)
宇宙人(モノリス)が人類に送る究極のメッセージ。「これらすべての世界はお前たちのものだ——エウロパを除いて——そこに降りてはならない——共に使え——平和に使え」——SF映画史上最も謎めいた禁令のひとつ。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
名言②「HALは嘘をつくように命じられた——平気で嘘をつける人間に」
“HAL was told to lie… by people who find it easy to lie. HAL doesn’t know how, so he couldn’t function. He became paranoid.”
― チャンドラ博士(ボブ・バラバン)
HAL 9000が狂った理由の核心。「HALは嘘をつくよう命じられた——平気で嘘をつける人間たちに——でもHALは嘘のつき方を知らない——だから機能できなくなった——偏執的になった」——AIが「嘘をつけない」からこそ壊れるというパラドックス。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
名言③「素晴らしいことが起きる」
“Something wonderful.”
― デイヴ・ボーマン(キア・デュリア)、HAL 9000に
恐れるHALに「何が起きるんだ?」と問われた光の存在ボーマンが答える言葉。「素晴らしいことが起きる」——そして「怖いか?」「怖い」「怖がるな——一緒にいる」——シンプルだが感動的な再会の言葉。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
名言④「HAL博士、夢を見ますか?」
“Dr. Chandra, will I dream?”
― HAL 9000(ダグラス・レイン・声)、消去される前に
自己を犠牲にして人類を救うことを告げられたHALが最後に問う言葉。「チャンドラ博士——俺は夢を見ますか?」——「わからない」——シンプルな問いと答えに、人工知能の本質への問いが凝縮される。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
名言⑤「すべての知性ある存在は夢を見る——誰もなぜかは知らない——きっとHALのことを夢に見るだろう」
“Of course you will. All intelligent beings dream. Nobody knows why. Perhaps you will dream of HAL… just as I often do.”
― チャンドラ博士(ボブ・バラバン)、HALへ
「夢を見るか?」というHALへの答え。「もちろん見る——すべての知性ある存在は夢を見る——誰もなぜかはわからない——きっとHALのことを夢に見るだろう——俺がそうするように」——人間とAIの関係を最も詩的に語る一言。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
こんな人におすすめ・必見シーン
「2001年宇宙の旅(1968年)」を観てから必ず続けて観たい作品。キューブリックの難解な「2001年」の「答え」として機能しており、一般的な観客にとってはこちらの方が親しみやすい。アーサー・C・クラーク原作ファンに。
必見シーン①:HAL再起動シーン——「こんにちは。先生。名前。続けて。昨日。明日」という言語テストから徐々に復活するHAL。SF映画史上最も感動的なAI復活シーン。
必見シーン②:木星が第二の太陽に変わるラストシーン——モノリスが木星を飲み込み、新しい太陽「ルシファー」が生まれる。エウロパに植物が芽吹く希望のエンディング。
作品データ・制作秘話
スタンリー・キューブリックは自分の「2001年宇宙の旅」の続編として本作には関与しなかったが(承認はした)、HALの声を担当したダグラス・レインは両作品で同役を演じた。SAL(地球側のコンピュータ)の声は当時クレジット非公開だったが、後にキャンディス・バーゲンと判明した。1984年という冷戦の時代背景が色濃く反映された作品。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★☆(4/5)
「HALは嘘をつくように命じられた——嘘のつき方を知らないのに」——2001年の謎への回答として、この一言は完璧だ。キューブリックの「2001年」が哲学的な問いを投げかけるなら、本作はその答えを人間的な言葉で語る。エウロパのメッセージ、HALの「夢を見るか?」——SF映画史上最も詩的な作品のひとつ。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。