「パリではクォーターパウンダーを何と呼ぶか知ってるか?——You know what they call a Quarter Pounder with Cheese in Paris?」——1994年、クエンティン・タランティーノ監督・脚本、ジョン・トラボルタ(ヴィンセント・ヴェガ)、サミュエル・L・ジャクソン(ジュールズ・ウィンフィールド)主演。カンヌ国際映画祭パルムドール受賞。アカデミー賞脚本賞受賞。IMDb8.9点。映画史上最も影響力のある脚本のひとつとして語り継がれる。

「”what”をもう一回言ってみろ——Say ‘what’ again. I dare you, I double dare you motherfucker, say what one more Goddamn time!」——ギャングの殺し屋ふたりが任務に向かう道中でハンバーガーを語り、聖書を引用し、チップについて議論する——タランティーノが確立したノンリニア構成と超絶的な会話劇の金字塔。

映画基本情報

タイトル:パルプ・フィクション(Pulp Fiction)
公開年:1994年
監督・脚本:クエンティン・タランティーノ
出演:ジョン・トラボルタ(ヴィンセント・ヴェガ)、サミュエル・L・ジャクソン(ジュールズ・ウィンフィールド)、ユマ・サーマン(ミア・ウォレス)、ブルース・ウィリス(ブッチ)、ハーヴェイ・カイテル(ウィンストン・ウルフ)
上映時間:154分
製作:ミラマックス・フィルムズ

あらすじ

ギャングのボス、マーセルス・ウォレスに仕える殺し屋コンビ、ヴィンセント(ジョン・トラボルタ)とジュールズ(サミュエル・L・ジャクソン)。ボスの妻ミア(ユマ・サーマン)のエスコート役を命じられたヴィンセント、八百長試合を拒否したボクサーのブッチ(ブルース・ウィリス)、ダイナーで強盗を働くカップル——複数の物語が時系列をシャッフルされながら交差する。

「エゼキエル書25章17節」を朗読して人を殺し、その後その意味を問い直すジュールズの哲学的な変容が物語の核心にある。

心に残る名言集

名言①「パリではロワイヤル・ウィズ・チーズと呼ぶ」

“They call it a Royale with Cheese.”
― ヴィンセント・ヴェガ(ジョン・トラボルタ)

任務に向かう車中でハンバーガーの名前について語り合うヴィンセントとジュールズ。「フランスはメートル法だからクォーターパウンドが何かわからない」——殺しに向かう緊張感ゼロの世間話が映画史上最も愛されるシーンのひとつ。タランティーノがアムステルダム滞在中の実体験を元に書いた。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

名言②「”what”をもう一回言ってみろ、言ってみろ」

“Say ‘what’ again. Say ‘what’ again, I dare you, I double dare you motherfucker, say what one more Goddamn time!”
― ジュールズ・ウィンフィールド(サミュエル・L・ジャクソン)

ブレットを尋問するジュールズが恐怖の絶頂で放つ台詞。サミュエル・L・ジャクソンの圧倒的な存在感と迫力が爆発するシーン。「what」という日常的な言葉が武器になる瞬間で、映画史上最も刺激的な台詞のひとつとして語り継がれる。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

名言③「エゼキエル書25章17節——正義の人の道は四方から脅かされる」

“The path of the righteous man is beset on all sides by the inequities of the selfish and the tyranny of evil men…”
― ジュールズ・ウィンフィールド(サミュエル・L・ジャクソン)

ジュールズが殺しの前に必ず暗唱する「聖書の一節」。実際にはタランティーノが大部分を書き直した創作だが、映画史上最も有名なモノローグのひとつとなった。ラストシーンでジュールズはその言葉の意味を問い直し、殺し屋をやめる決意をする。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

名言④「ゼッドは死んだ、ベイビー。ゼッドは死んだ」

“Zed’s dead, baby. Zed’s dead.”
― ブッチ(ブルース・ウィリス)

恋人ファビエンヌとバイクで逃げるブッチが静かに告げる台詞。「ゼッドは誰?」という問いへの答えが「ゼッドは死んだ」という完結した事実だけ——タランティーノ特有のクールな余韻が漂う。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

名言⑤「キャラクターを持つことと、キャラクターであることは別だ」

“Just because you are a character doesn’t mean that you have character.”
― ウィンストン・ウルフ(ハーヴェイ・カイテル)

「問題解決人」ウルフが若い女性ラクエルに放つ一言。「キャラクター(個性)を持つ人間」と「キャラクター(人格)を持つ人間」の違いを鋭く突くタランティーノの言語センスが光る台詞。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

名言⑥「俺は羊飼いになろうとしている——本当に頑張っている」

“I’m trying, Ringo. I’m trying real hard to be the shepherd.”
― ジュールズ・ウィンフィールド(サミュエル・L・ジャクソン)

ダイナーの強盗犯リンゴに銃を突きつけながら、ジュールズが静かに告白する言葉。「俺はずっとこの聖書の言葉を冷血な台詞として使ってきた——でも今朝見たものが俺を変えた。俺は善人になろうとしている」——殺し屋の魂の覚醒を描く映画最大の名場面。IMDb・Wikiquoteで確認済み。

こんな人におすすめ・必見シーン

会話劇の映画が好きな人に。タランティーノ作品を初めて観る人の入門作として最適。非線形構成(時系列バラバラ)の映画に挑戦したい人に。「ロワイヤル・ウィズ・チーズ」の場面だけでこの映画の価値がわかる。

必見シーン①:ヴィンセントとミアのジャック・ラビット・スリムズでのツイスト댄스——ジョン・トラボルタのダンスが伝説的復活を遂げた場面。

必見シーン②:ウィンストン・ウルフ登場——「私はウィンストン・ウルフ。問題を解決する」の一言で場を掌握するハーヴェイ・カイテルの貫禄。

作品データ・制作秘話

製作費800万ドルで世界興行収入2億ドル超えを記録。ジョン・トラボルタはこの作品でハリウッドへの完全復帰を果たした(「サタデー・ナイト・フィーバー」以来の大ブレイク)。「ロワイヤル・ウィズ・チーズ」の会話はタランティーノがアムステルダムでの実体験をもとに書いた。エゼキエル書25章17節の朗読は、最後の2行だけが実際の聖書の言葉でそれ以外はタランティーノの創作。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★★(5/5)

「ロワイヤル・ウィズ・チーズ」——殺しに向かう車の中でハンバーガーの名前を語り合う。この徹底した日常性と暴力の共存こそが、パルプ・フィクションが映画史を変えた理由だ。154分間、一瞬も退屈しない。タランティーノの最高傑作にして、90年代映画の金字塔。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。