1984年、マーティン・ブレスト監督・エディ・マーフィー主演。「デトロイトのガサツな刑事がビバリーヒルズに乗り込む」という文化衝突コメディが、アクション映画史に革命をもたらした一作。
当初シルヴェスター・スタローンが主演予定で、スタローンが書き直したアクション重視の脚本では映画の雰囲気が全く異なるものになっていた。エディ・マーフィーの参加が「ビバリーヒルズ・コップ」を傑作にした。公開当時の全米興収ナンバー1を記録。
映画基本情報
タイトル:ビバリーヒルズ・コップ(Beverly Hills Cop)
公開年:1984年
監督:マーティン・ブレスト
音楽:ハロルド・ファルタマイヤー
出演:エディ・マーフィー、ジャッジ・ラインホールド、ジョン・アシュトン、リサ・アイルバッハー、ロニー・コックス
上映時間:105分
製作:パラマウント・ピクチャーズ
全米興行収入:2億3400万ドル(1984年の全米首位)
アカデミー賞:脚本賞ノミネート
あらすじ
デトロイト市警の刑事アクセル・フォーリーは、型破りな捜査スタイルで上司を悩ませながらも結果を出し続ける。
ある夜、幼馴染のミッキーが自分のアパートで殺された。上司に「手を出すな」と言われたアクセルは、休暇を取って個人的に捜査するためビバリーヒルズへ向かう。
洗練されたビバリーヒルズの警察官タガートとロズウッドは、このデトロイトのガサツな刑事に翻弄されながらも、やがてともに巨大な麻薬密輸組織に迫っていく。
心に残る名言集
名言①「平和を乱した罪だと? 俺は窓から投げ飛ばされたんだぞ! 動く車から突き落とされた罰は何だ? 歩道の無断横断か?」
“Disturbing the peace? I got thrown out of a window! What’s the fucking charge for getting pushed out of a moving car, huh? Jaywalking?”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
オフィスの窓から投げ飛ばされた直後に警察に逮捕され、「平和を乱した罪」と言われた際のアクセルの抗議。エディ・マーフィーのコメディセンスが爆発する本作の代表的な場面であり、IMDb・Wikiquote・Rankerで最高評価を受ける名台詞。
名言②「これは俺の人生で乗った中で、一番きれいで素敵なパトカーだ。これ、俺のアパートより豪華だぞ」
“This is the cleanest and nicest police car I’ve ever been in in my life. This thing’s nicer than my apartment.”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
逮捕されてパトカーに乗せられた際、デトロイトとビバリーヒルズの格差をユーモラスに表現する台詞。「文化衝突コメディ」としての本作の本質がこの一言に凝縮されている。
名言③「ちょっと聞いてくれ。あんたたちが『バナナ尾管作戦』にひっかからないって言うのはわかった。だが、もっと自然に言わないとな——『俺は尾管にバナナなんか引っかからないぜ!』——これが普通の言い方だ」
“You’re not gonna fall for the banana in the tailpipe? It should be more natural, brother. It should flow out.”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
タガートとロズウッドのセリフの言い方をからかう場面。エディ・マーフィーの即興コメディが炸裂した名シーン。撮影現場でジャッジ・ラインホールドが笑いをこらえるために太ももを強く抓り続けたという逸話がある。
名言④「ビクターに伝えてくれ——ラモンって男が1週間前に会ったと——ヘルペス10型を発症したって、先生にチェックしてもらった方がいいと」
“Tell Victor that Ramon went to the clinic today, and I found out that I have herpes simplex 10.”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
容疑者の会社に突入するために、受付嬢に対して使った架空の話でアポなし突入に成功する場面。アクセルの機転の良さと大胆さを示すコメディの傑作場面。エディ・マーフィーの即興演技とされている。
名言⑤「俺をヒーローだと思っているのか? 違う。俺はただの刑事だ——そして友達が殺された」
“I am not a hero. I’m a drifter with nothing to lose.”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
コメディ一色に見える映画の中で、アクセルが動く本当の理由を語る場面。笑いの中に確かに存在する感情的な核心を示す言葉。
名言⑥「ロールストーン誌の記者としてマイケル・ジャクソンのインタビューをするために来た——その記事のタイトルは『マイケル・ジャクソンは世界のトップに立てる、ただしビバリーパームホテルには泊まれない』にするつもりだった」
“I was gonna call the article ‘Michael Jackson Can Sit On Top of the World Just As Long As He Doesn’t Sit in the Beverly Palm Hotel’.”
― アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー)
高級ホテルで部屋を取るために使った即興の大嘘。アクセルが口先で不可能を可能にするキャラクターであることを示す、本作最大の名シーンのひとつ。エディ・マーフィーの即興力が映画の枠を超えている。
こんな人におすすめ・必見シーン
アクションとコメディが両方好きな方、エディ・マーフィーのファン、80年代映画の雰囲気が好きな方にはもちろん、「全く異なる文化が衝突した時に生まれる笑い」を楽しみたい方に強くおすすめしたい。
必見シーン①:冒頭の煙草トラック逃走シーン。デトロイトの雑然とした街を煙草密輸トラックが暴走する場面で映画が始まる。アクセルがどんな人間かがこの3分で完璧にわかる。
必見シーン②:バナナ尾管作戦シーン。タガートとロズウッドの車の排気管にバナナを詰め込んでエンジンを止めるアクセルの作戦——そしてふたりに「俺はそんな手には引っかからない」と言わせておいて実際に引っかからせる展開が絶妙。
必見シーン③:クラブ・カラーズ突入シーン。アクセルが「同性愛者向けのクラブ」を装って突入する場面は、コメディとしての本作最大の見せ場。エディ・マーフィーとジャッジ・ラインホールドのやり取りはほぼ即興で、NGがほとんど出なかったという。
登場人物紹介
アクセル・フォーリー(エディ・マーフィー):デトロイト市警の型破り刑事。口が達者で、アドリブと機転で不可能を可能にする。エディ・マーフィーはこの役でアメリカで最も稼ぐ俳優のひとりになった。IMDbによると、エディ・マーフィー・ジャッジ・ラインホールド・ジョン・アシュトンの3人はコミカルなセリフのほとんどを即興で演じており、撮影現場では笑いが止まらないテイクが100以上あったという。
ビリー・ロズウッド(ジャッジ・ラインホールド):理想主義的な若手刑事。アクセルの型破りな行動に最初は戸惑うが、やがて相棒として信頼し合う。ラインホールドはNGシーンで自分のヒザを強く抓って笑いをこらえていたことで有名。
タガート(ジョン・アシュトン):ベテラン刑事。アクセルには懐疑的だが、最終的に信頼を寄せる。コントラストの効いたコンビ関係がアシュトンの無言の演技で際立つ。
作品データ・制作秘話
「アクセルF」のテーマ曲はハロルド・ファルタマイヤーが作曲したシンセサイザーの名曲で、映画音楽史上最も認知度の高いテーマのひとつ。グラミー賞最優秀ポップ・インストゥルメンタル・パフォーマンス賞を受賞した。
当初シルヴェスター・スタローンが主演予定で、アクション中心の脚本に大幅に書き直した。しかし「コメディの要素が消えた」として製作側との意見が合わず降板。エディ・マーフィーの起用が決まり、本来の路線に戻した。
2023年にNetflixで「ビバリーヒルズ・コップ:アクセルF」として第4作が公開された。エディ・マーフィー・ジャッジ・ラインホールド・ジョン・アシュトンが揃って出演し、40年ぶりの再集結が話題になった。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★☆(4/5)
エディ・マーフィーが80年代に生み出した最高傑作のひとつ。アクション・コメディというジャンルを確立した映画としての歴史的意義も大きい。「アクセルF」のテーマが流れた瞬間にすべてのテンションが上がる、純粋な映画エンターテインメントの喜びが詰まっている。
「笑わせながら、ちゃんと犯人を捕まえる」——それがアクセル・フォーリーであり、ビバリーヒルズ・コップの真髄だ。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。