1973年、ジョージ・ロイ・ヒル監督。ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォードが再びタッグを組んだ、アカデミー賞作品賞を含む7部門受賞の詐欺師コメディ映画。1930年代シカゴを舞台に、二人の詐欺師が大物マフィアを騙す大芝居を繰り広げる。

スコット・ジョプリンのラグタイム音楽の再流行にも貢献した娯楽映画の傑作。誰も予想できないラストの大どんでん返しも必見。IMDb8.2点・全米興行収入1億5600万ドル。

映画基本情報

タイトル:スティング(The Sting)
公開年:1973年
監督:ジョージ・ロイ・ヒル
脚本:デヴィッド・S・ウォード
音楽:マービン・ハムリッシュ(スコット・ジョプリン編曲)
出演:ポール・ニューマン(ヘンリー・ゴンドルフ)、ロバート・レッドフォード(ジョニー・フッカー)、ロバート・ショウ(ドイル・ロネガン)
上映時間:129分
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ
全米興行収入:1億5600万ドル
アカデミー賞:作品賞・監督賞・脚本賞・編集賞・美術賞・衣装デザイン賞・作曲賞(7部門受賞)

あらすじ

1936年、イリノイ州ジョリエット。小悪党の詐欺師ジョニー・フッカー(ロバート・レッドフォード)は、相棒のルーサーが大物マフィアのロネガン(ロバート・ショウ)の子分に殺されたことを知り、復讐を誓う。

フッカーは伝説の大物詐欺師ヘンリー・ゴンドルフ(ポール・ニューマン)に接触し、ロネガンを騙す「大仕掛け(ビッグ・コン)」の計画を立てる。競馬の結果を電報で伝えるという偽の馬券屋を舞台に、ロネガンを50万ドルもの大金で騙す計画が動き出す。

しかし計画は次々と予期せぬ障害に直面する。腐敗した警察官、FBI、そしてロネガンの組織の圧力——それでも二人は巧みなアドリブと機転で状況を乗り越えていく。そして最後に待ち受ける、誰も予想できない大逆転とは?

心に残る名言集

名言①「詐欺師でいる意義は、一般市民と同じでない点だ」

“No sense being a grifter if it’s the same as bein’ a citizen.”
― ヘンリー・ゴンドルフ(ポール・ニューマン)

IMDb・Wikiquote・Quotes.netで確認済み。詐欺師としての誇りとリスクへの愛着を端的に示す台詞。ゴンドルフというキャラクターの哲学が凝縮された言葉で、映画全体のトーンを表している。

名言②「彼のイカサマを上回る相手に、文句が言えるか?」

“What was I supposed to do, call him for cheating better than me in front of the others?”
― ドイル・ロネガン(ロバート・ショウ)

ポーカーでゴンドルフに負けたロネガンが、「自分もイカサマをしていたから指摘できなかった」と悔しさをにじませる場面。この台詞が後の計画の核心を説明する伏線にもなっている。IMDb・Wikiquote確認済み。

名言③「あなたのボスはかなりの腕前ですね。どうやって? ——イカサマをするのさ」

“Your boss is quite a card player, Mr. Kelly; how does he do it?” “He cheats.”
― ロネガン(ロバート・ショウ)&フッカー(ロバート・レッドフォード)

ロネガンに問われたフッカーが間髪入れずに「イカサマをするのさ」と答える名場面。真実を告白しながら実はそれ自体が罠の一部という、映画の構造を象徴するやりとり。IMDb・Wikiquote確認済み。

名言④「彼はそれほど手強いとは思わない——俺たちもな」

“He’s not as tough as he thinks.” “Neither are we.”
― フッカー(ロバート・レッドフォード)&ゴンドルフ(ポール・ニューマン)

フッカーとゴンドルフが計画前に交わす台詞。強がりと本音が混在した会話で、二人のバディ関係の妙味が詰まっている。IMDb・Wikiquote確認済み。

名言⑤「金を受け取らないのか?——いや、無駄にするだけだ」

“You not gonna stick around for your share?” “Nah. I’d only blow it.”
― ゴンドルフ&フッカー(ポール・ニューマン&ロバート・レッドフォード)

映画のラストシーンの台詞。金よりも「騙した」という達成感を重視するフッカーの軽やかな答えが、この映画の精神を体現している。IMDb・Wikiquote確認済み。

こんな人におすすめ・必見シーン

どんでん返しのある映画が好きな方、1930年代のノスタルジックな雰囲気が好きな方、ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードのコンビを楽しみたい方に強くおすすめ。

必見シーン①:列車内のポーカー対決。ゴンドルフがロネガンと列車でポーカーをする場面。酔っ払いのふりをしながら完璧にイカサマを上回るゴンドルフの演技は映画前半の最大の見せ場。

必見シーン②:偽の馬券屋の全景。数百人のエキストラを使って本物の馬券屋に見せかけた「舞台」の全容が明らかになる場面。映画史上最も手の込んだ「大芝居」のひとつ。

必見シーン③:ラストの大逆転。誰も予想できない最後のどんでん返し。見終わった後に「もう一度最初から見たくなる」映画の筆頭として語り継がれる完璧なエンディング。

登場人物紹介

ヘンリー・ゴンドルフ(ポール・ニューマン):落ち目の大物詐欺師。FBI に追われながらも持ち前の機転と胆力でロネガンを罠にかける計画を仕切る。ニューマンはアカデミー賞にノミネートされなかったが、多くのファンが「彼のベスト演技のひとつ」と称する。

ジョニー・フッカー(ロバート・レッドフォード):若い詐欺師。相棒の死に怒りを燃やしながらも、どこかお気楽な天才詐欺師ぶりを発揮する。レッドフォードは本作でスターとしての地位を確立した。

ドイル・ロネガン(ロバート・ショウ):アイルランド系マフィアの大物。賭けに目がなく、イカサマもいとわない強欲な悪役。ショウは撮影直前に膝の靭帯を断裂し、そのびっこをキャラクターに取り込んだ。

作品データ・制作秘話

ポール・ニューマンとロバート・レッドフォードはそれぞれ50万ドルのギャラを受け取った。当時の俳優としての最高額であり、インフレ調整後の現在価値で約370万ドルに相当する。

衣装デザイナーのエディス・ヘッドは本作で8度目(最後)のアカデミー衣装デザイン賞を受賞。「世界で一番ハンサムな男二人に服を着せて、この賞をいただいた」と受賞スピーチで語った。

映画が使用したスコット・ジョプリンのラグタイム曲「The Entertainer」は、本作のヒットによって再評価の機運が高まり、ラグタイムブームを引き起こした。ジョプリンは1917年に亡くなっており、この再流行を知ることはなかった。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★★(5/5)

ニューマンとレッドフォードという二大スターのケミストリーが爆発した映画史に残る傑作。複雑な詐欺の仕掛けをわかりやすく見せながら、観客を最後まで騙し続ける脚本の完成度は今見ても驚異的だ。

「騙されること」の爽快感——これほど気持ちよく騙してくれる映画はそうはない。初見では必ず最後に驚かされる。ぜひ事前情報なしで楽しんでほしい。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。