2011年、トッド・フィリップス監督・ブラッドリー・クーパー、ザック・ガリフィアナキス、エド・ヘルムス主演。2009年の世界的大ヒット「ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い」の続編で、今度は舞台をバンコクに移したシリーズ第2作。

全世界興収5億8600万ドルというR指定映画として当時の歴代興収記録を更新した大ヒット作。「第1作と同じ展開だ」という批評家の指摘は正しいが、それでも十分に笑える映画だ。IMDb6.5点・ロッテン・トマト34%(観客スコア71%)。

映画基本情報

タイトル:ハングオーバー2(The Hangover Part II)
公開年:2011年
監督・脚本:トッド・フィリップス
出演:ブラッドリー・クーパー(フィル)、ザック・ガリフィアナキス(アラン)、エド・ヘルムス(スチュ)、ジャスティン・バーサ(ダグ)、ケン・ジョン(チャウ)
上映時間:102分

あらすじ

ラスベガスの悪夢から2年後。スー(エド・ヘルムス)はタイ人の婚約者ローレンとの結婚式を控え、今度こそ穏やかな結婚前の朝食会のみと宣言する。しかしアランが密かに薬を盛り、気づいた時にはバンコクのホテルで三人がまた目を覚ます。

ローレンの弟でスタンフォード大学に合格した優秀な少年テディが行方不明。発見されたのはサルだけ。記憶がまったくなく、スーには見覚えのないタトゥーが顔に刻まれている——バンコクを舞台にした第2の悪夢が始まる。

心に残る名言集

名言①「誰もスーのことを俺ほど知らない——俺たちはラスベガスで誓い以上に重い約束を交わした。これはスーの最初の結婚じゃない——2年前、ラスベガスに娼婦がいた……」

“None of you know Stu like I do. What I can tell you is this — this is not Stu’s first marriage. There was a whore in Las Vegas a couple of years ago…”
― アラン(ザック・ガリフィアナキス)

結婚披露宴でのアランの祝辞スピーチ。Ranker・Screen Rantで「本作最大の名言」に選ばれた台詞。第1作の出来事を「血よりも重い誓い」と表現しながら、スーの過去を暴露しかけるアランの天然さが爆発する本作を象徴するシーン。

名言②「猿がペニスをかじるのは、どんな言語でも面白い」

“When a monkey nibbles on a penis, it’s funny in any language.”
― チョウ(ケン・ジョン)

Wikiquoteでも引用されている本作のチョウ最大の名台詞。映画の基本的なユーモアの水準を正直に語りながら、「バンコクというどんな文化圏でも笑える」という普遍性を主張する奇妙な説得力を持つ。

名言③「ハロー、スクアラの街!(Holla, City of Squala!)」

“Holla, City of Squala!”
― チョウ(ケン・ジョン)

バンコクにいることを知った瞬間のチョウの叫び。Ranker・Screen Rantで引用される本作のチョウ名言。意味不明な「Squala(スクアラ)」という単語の謎がまた笑いを呼ぶ。

名言④「コカインなんかやったことないのか? たまに心臓が止まっても、また動き出す。本でも読め」

“What’s the matter, you never do blow before? Sometimes your heart stop, it start up again. Read a book.”
― チョウ(ケン・ジョン)

Wikiquoteでも掲載されているチョウの「教訓」。デタラメすぎる主張を、さも当然のように告げるチョウのアドバイスは本作の爆笑シーンのひとつ。ケン・ジョンがシリーズを通じて最も輝く場面のひとつ。

名言⑤「バチェラーパーティーだ——でも飲み物がないじゃないか、ここはIHOPだからな!」

“It’s a bachelor party. Drink up everybody. Oh wait, there’s no alcohol — I forgot we’re at a fucking IHOP!”
― フィル(ブラッドリー・クーパー)

スーが「IHOPでの朝食会だけ」と宣言したバチェラーパーティーに現れたフィルの乾杯の言葉。飲み物のないバチェラーパーティーへの皮肉が、この後の展開への伏線となる。

名言⑥「ジョナス・ブラザーズはその週末、ノースカロライナ州のラレー・ダーラムにいる」

“Nope, they’re in Raleigh, Durham that weekend.”
― アラン(ザック・ガリフィアナキス)

「ジョナス・ブラザーズが町に来ているんじゃないか」というスーの何気ない発言に対して、即座に正確なツアースケジュールで返すアランの台詞。Rankerで「なぜアランがジョナス・ブラザーズのツアースケジュールを知っているのか——でも当然知ってるよな」という形で多くの票を集めた。

こんな人におすすめ・必見シーン

第1作「ハングオーバー!」が好きだった方、底抜けのコメディが観たい方、バンコクという舞台の混沌とした魅力に惹かれる方におすすめ。「第1作の劣化コピー」という批評も正しいが、それでも笑える映画だ。

ただし第1作を観ていない方は、必ず先に第1作から観ることをすすめる——アランというキャラクターへの愛着があってこそ、本作の笑いが倍になる。

必見シーン①:アランの結婚式スピーチ。冒頭と終盤に登場するアランの「準備してきた台詞」シーンは、本シリーズを象徴する笑いの連発。ザック・ガリフィアナキスの天才的な天然演技が全開。

必見シーン②:チョウとのバンコク冒険シーン。第1作より登場シーンが大幅に増えたケン・ジョン演じるチョウが、デタラメなバンコクツアーガイドとなる場面は本作の白眉のひとつ。

必見シーン③:スーの顔のタトゥー発覚シーン。マイク・タイソン(実際のタトゥーの元)のタトゥーが顔に刻まれているスーの惨状は、目が覚めた直後の衝撃として第1作のライオン発覚シーンに匹敵する。

登場人物紹介

アラン(ザック・ガリフィアナキス):シリーズの心臓。「自宅に住む息子(Stay-at-home son)」として実家に住み続け、母親に食事の世話を受けながら傲慢に振る舞う。その天然ぶりが他のキャラクターを翻弄し続ける本作の原動力。

チョウ(ケン・ジョン):第1作では脇役だったが、本作では大幅に出番が増えた。日系アメリカ人俳優ケン・ジョンが体を張って演じる極悪非道なコメディキャラクター。

フィル(ブラッドリー・クーパー):本作でも「まとめ役」として機能するが、同年「ブラック・スワン」「リミットレス」などで急速に地位を上げつつあったクーパーの器の大きさが随所に見える。

作品データ・制作秘話

スーの顔のタトゥーは、ボクサーのマイク・タイソンが実際に入れているトライバルタトゥーと同じデザイン。タイソンは第1作でも登場しており、本作でもカメオ出演した。タトゥーを本人のデザインと同じにすることについてタイソンの許諾を得た上で制作されている。

撮影はバンコクとニューオーリンズで行われた。実際のバンコクの街並みと、ニューオーリンズのスタジオセットを組み合わせて、バンコクの混沌とした雰囲気を再現した。

全世界興収5億8600万ドルは、当時のR指定映画の歴代興収記録を更新した。批評家評価は低くも、ファンの期待に応えた結果だった。第3作「ハングオーバー!酔っぱらいが世界を救う!!」(2013年)でシリーズは完結する。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★☆☆(3/5)

「第1作のバンコク版リメイク」という批評は正確だが、リメイクとしては十分に笑えるクオリティ。ザック・ガリフィアナキスとケン・ジョンを中心としたコメディは本物だ。

笑いながら「第1作を最初に観ればよかった」と思う映画でもある。第1作→第2作→第3作と順番に観れば、「アランたちの成長と終わり」というシリーズの感動が待っている。

名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。