1984年、スティーヴン・スピルバーグ監督・ハリソン・フォード主演。インディ・ジョーンズシリーズ第2作にして前日譚。1935年を舞台に、インドの村から奪われた聖石とさらわれた子どもたちを救出するために、インディが「魔宮(Temple of Doom)」へと挑む。

シリーズ最もダークでホラー色が強い作品。映画の過激な描写がアメリカでのPG-13レーティング制度創設のきっかけになったとも言われる。ウィリー・スコット役のケイト・キャプショーは後にスピルバーグと結婚。IMDb7.5点・全世界興行収入3億3300万ドル。

映画基本情報

タイトル:インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説(Indiana Jones and the Temple of Doom)
公開年:1984年
監督:スティーヴン・スピルバーグ
製作:ジョージ・ルーカス
脚本:ウィラード・ハイク、グロリア・カッツ
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ハリソン・フォード(インディアナ・ジョーンズ)、ケイト・キャプショー(ウィリー・スコット)、ウォンツ・ケイ・ホアン(ショート・ラウンド)、アムリッシュ・プリ(モーラ・ラム)
上映時間:118分
製作:パラマウント・ピクチャーズ
全世界興行収入:3億3300万ドル
アカデミー賞:視覚効果賞受賞

あらすじ

1935年、上海のナイトクラブでの取引が失敗に終わり、飛行機で逃げ出したインディ(ハリソン・フォード)。シンガーのウィリー(ケイト・キャプショー)と子どものショート・ラウンド(ウォンツ・ケイ・ホアン)とともに、インドの山奥の村に辿り着く。

村の老人から「子どもたちと神聖な石が盗まれた」と聞かされたインディは、近くのパンコット宮殿を訪問する。しかし宮殿の地下には、子どもたちを奴隷として使いカーリー女神に人身御供を捧げる秘密組織「サグ団(Thuggee)」の魔宮が存在した。

呪いの血を飲まされ精神支配されるインディ、ショート・ラウンドの必死の救出、ウィリーのコメディ的な悲鳴と行動力——スリルとユーモアとダークネスが入り混じった怒涛の展開が最後まで続く。

心に残る名言集

名言①「富と名声だ、ショート・ラウンド——富と名声」

“Fortune and glory, kid. Fortune and glory.”
― インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net・Lucasfilm.com確認済み。ショート・ラウンドが「サンカラストーンとは何か?」と問うた時のインディの答え。冒険家の動機を「富と名声」と笑いながら答えながら、後に「それだけじゃない」と気づく伏線となる台詞。シリーズ全体を通じて最も引用される名言のひとつ。

名言②「俺は科学者だ——何も驚かない」

“Nothing shocks me. I’m a scientist.”
― インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。ウィリーが挑発的な態度をとった後のインディの返し。「科学者は何も驚かない」と言い切る自信満々の台詞が、その後に繰り返し裏切られる(蛇、虫、生きたまま心臓を取り出すシーン等)のがこの映画のコメディの核。

名言③「あなたは富と名声を追いかけて死ぬことになる——でも今日じゃない」

“You’re gonna get killed chasing after your damn fortune and glory!” “Maybe. But not today.”
― ウィリー&インディ(ケイト・キャプショー&ハリソン・フォード)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。石を取り戻しに行こうとするインディにウィリーが叫ぶ言葉と、その返し。「死ぬかもしれない、でも今日じゃない」——人生の危険に対してこれほど潔い答えを持つキャラクターはなかなかいない。インディの哲学が凝縮された名場面。

名言④「愛の時間はない、ショート・ラウンド!」

“No time for love, Dr. Jones!”
― ショート・ラウンド(ウォンツ・ケイ・ホアン)

IMDb・Quotes.net確認済み。インディとウィリーがロマンチックな雰囲気になった場面でショート・ラウンドが割り込む台詞。子どもならではの率直さと緊張感の欠如が映画の笑いを生む名シーン。ウォンツ・ケイ・ホアン(後の「グーニーズ」のデータ役)のコメディセンスが光る。

名言⑤「モーラ・ラム!カーリー女神と地獄で会え!」

“Mola Ram! Prepare to meet Kali… in HELL!”
― インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード)

IMDb・Wikiquote確認済み。精神支配から目覚めたインディが悪の祭司モーラ・ラムに向かって放つクライマックスの台詞。「地獄で会え」という古典的な啖呵を宗教的な文脈で使う独特の構成で、映画のカタルシスを最大化する名場面。

こんな人におすすめ・必見シーン

インディ・ジョーンズシリーズの熱狂的なファン必見。1作目に比べてダークでホラー色が強く、好みが分かれる作品だが「3人のトリオのケミストリー」と「ショート・ラウンドの存在感」は本作が随一。前作映画「インディ・ジョーンズ1」の後に続けて見ることをおすすめ。

必見シーン①:上海のオープニング。ゴールドマダムの「Anything Goes」のナンバーから始まり、いきなりトラブルに巻き込まれるインディ。1作目の石球チェイスに匹敵する最高のオープニング。

必見シーン②:晩餐会のシーン。パンコット宮殿での晩餐で出される「ウナギの前菜、サルの脳みそ」。ウィリーの悲鳴とインディの「俺は科学者だ」の台詞、ショート・ラウンドの食欲旺盛ぶりが絶妙なコメディを生む。

必見シーン③:ロープ橋でのクライマックス。三方から追い詰められたインディが橋を切ることを決意し「俺は頭がおかしい」とウィリーが叫び「違う、俺は狂っている」とショート・ラウンドが補足する場面。カタルシスと笑いが同時に来る映画史的名場面。

登場人物紹介

インディアナ・ジョーンズ(ハリソン・フォード):1作目同様の無敵の考古学者。今回は呪いによって一時的に精神支配される珍しい弱さを見せ、ショート・ラウンドに救われるという立場の逆転が感動を生む。

ウィリー・スコット(ケイト・キャプショー):上海のシンガー。虫も蛇も泥もすべてに悲鳴を上げる「正反対のヒロイン」として、マリオンとは全く異なる存在感を持つ。批評家からは賛否あるが、コメディとして見ると最高の配役。後にスピルバーグの妻となった。

ショート・ラウンド(ウォンツ・ケイ・ホアン):インディの子どもの相棒。「グーニーズ」のデータ役と同じ俳優で、本作のコメディの大半を担う。インディを精神支配から目覚めさせる感動的なシーンは、シリーズ全体でも屈指の名場面。俳優ウォンツ・ケイ・ホアンは2023年にアカデミー賞助演男優賞を受賞している。

作品データ・制作秘話

本作は時系列的に1作目「レイダース」の前日譚(1935年)に当たる。スピルバーグとルーカスがそれぞれ私生活で離婚を経験した時期に製作されたため、「最もダークな気分で作った」とスピルバーグは後年語っている。

映画のPG指定に対して多くの保護者から苦情が寄せられたため、アメリカでは本作と「グレムリン」をきっかけにPGとRの間に「PG-13」という新しいレーティングが設けられた。映画制度に影響を与えた数少ない作品のひとつ。

ショート・ラウンドを演じたウォンツ・ケイ・ホアンは本作以降俳優業から長らく遠ざかっていたが、2022年の「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」で復帰し、アカデミー賞助演男優賞を受賞した。本作のファンには感動的な「帰還」となった。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★☆(4/5)

1作目の明るさに比べてダークで好みが分かれるが、「ショート・ラウンドとインディのバディムービー」として見ると非常に感動的。「富と名声」を求めて動き始めたインディが、最終的には「子どもたちを救う」ことを選ぶ——その変化こそがこの映画の核心だ。

「No time for love, Dr. Jones!」は映画史上最もタイミングのいいコメディ台詞のひとつ。前作インディ・ジョーンズ1とあわせて2本立てで楽しみたい。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。