「薄暗い月夜に悪魔と踊ったことはあるか?」——1989年、ジャック・ニコルソンがジョーカーを演じ、ティム・バートンが闇のゴッサム・シティを創造した。コミックのヒーロー映画というジャンルを別次元へと引き上げた革命的作品であり、その後のスーパーヒーロー映画すべての原型となった。
マイケル・キートン演じるバットマンとジャック・ニコルソン演じるジョーカー——二人の圧倒的な演技の応酬が生み出す緊張感は今も色褪せない。全世界で4億1100万ドルの興行収入を記録し、当時の最高記録を更新。IMDb7.5点。
映画基本情報
タイトル:バットマン(Batman)
公開年:1989年
監督:ティム・バートン
脚本:サム・ハム、ウォーレン・スカーレン(ボブ・ケインのコミックキャラクターに基づく)
音楽:ダニー・エルフマン、主題歌:プリンス(Prince)
出演:マイケル・キートン(ブルース・ウェイン/バットマン)、ジャック・ニコルソン(ジャック・ネイピア/ジョーカー)、キム・ベイシンガー(ヴィッキー・ヴェール)、ジャック・パランス(カール・グリソム)
上映時間:126分
製作:ワーナー・ブラザース
全世界興行収入:4億1100万ドル
アカデミー賞:美術賞受賞
あらすじ
犯罪に支配されたゴッサム・シティ。闇夜に犯罪者たちを恐怖に陥れる謎の怪人バットマン(マイケル・キートン)の正体は、孤独な億万長者ブルース・ウェインだった。幼少期に両親を強盗に殺されたトラウマを胸に、彼は夜の街の守護者として生きてきた。
一方、悪徳刑事に追い詰められた犯罪者ジャック・ネイピアが薬品タンクに転落し、笑い続ける狂人「ジョーカー」として蘇る。派手な犯罪と毒ガス兵器でゴッサムを混乱に陥れるジョーカーに、バットマンは立ち向かう。そして二人の間には、想像を絶する因縁があった。
心に残る名言集
名言①「薄暗い月夜に、悪魔と踊ったことはあるか?」
“Tell me something, my friend. You ever dance with the devil in the pale moonlight?”
― ジョーカー(ジャック・ニコルソン)
映画を通じて繰り返される最重要台詞。ジョーカーが獲物に問いかける口癖であり、少年時代のブルース・ウェインの両親を殺した夜も使われた言葉。二人の運命的な因縁を象徴する。IMDb・Wikiquote・MovieMistakesで確認済み。
名言②「あいつはどこで、あんな素晴らしいオモチャを手に入れるんだ?」
“Where does he get those wonderful toys?”
― ジョーカー(ジャック・ニコルソン)
バットマンの驚異的なガジェットに圧倒されたジョーカーが、嫉妬と感嘆を混ぜて放つ台詞。怒るべき場面で純粋に感心してしまうジョーカーの狂気を示す一言。IMDb・Wikiquote・Rankerで確認済み。
名言③「私はバットマン」
“I’m Batman.”
― バットマン(マイケル・キートン)
犯罪者に問い詰められたバットマンが低く静かに告げる名台詞。実はマイケル・キートンのアドリブ——脚本では「I am the night」だったが、キートンが台詞を忘れてこう言い、そのままOKになった。映画史上最もシンプルで力強い自己紹介。IMDb・Wikiquote・Rankerで確認済み。
名言④「この街には浣腸が必要だ」
“This town needs an enema!”
― ジョーカー(ジャック・ニコルソン)
ゴッサム市民の前に登場したジョーカーが叫ぶ奇怪なスローガン。腐敗したゴッサムへの荒唐無稽な診断であり、ジョーカーの混沌とした哲学を象徴する台詞。IMDb・Wikiquote・MovieMistakesで確認済み。
名言⑤「お前がジョーカーを作り、ジョーカーがお前を作った」
“I made you, you made me first.”
― バットマン(マイケル・キートン)
クライマックスでバットマンとジョーカーが互いの因縁を認識する場面。ヒーローと悪役が互いを作り合うという映画の核心テーマを一言で表す。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
こんな人におすすめ・必見シーン
スーパーヒーロー映画の原点を体験したい人に。ティム・バートンの独特のゴシック美学と、ジャック・ニコルソンの怪演が好きな人にも。後のダークナイト三部作と比較しながら観ると、バットマン像の進化が楽しめる。
必見シーン①:ジョーカーの誕生シーン。薬品タンクに落ちたジャック・ネイピアが鏡の前に立ち、自分の変わり果てた顔を初めて見る場面。「ジャックは死んだ。俺の名はジョーカー」——ジャック・ニコルソンの演技が最高潮に達する。
必見シーン②:美術館破壊シーン。プリンスの「Party Man」に乗せて絵画を破壊しながら踊り回るジョーカーの場面。カオスと芸術が融合したティム・バートン美学の真骨頂。
登場人物紹介
ジョーカー(ジャック・ニコルソン):元犯罪者ジャック・ネイピアが薬品事故で変貌した道化師の悪魔。笑い続ける顔、毒ガスで人を殺す鉛筆、毒ガスの入った花——すべてが狂気の美学で貫かれている。ニコルソンはロビン・ウィリアムズらを競合に制してこの役を獲得し、莫大な出演料とバックエンド収益を得た。
バットマン/ブルース・ウェイン(マイケル・キートン):幼少期の両親の死をきっかけに、義侠心から犯罪と戦う。キートンの起用は当初ファンから批判されたが、公開後は演技力で完全に沈黙させた。「I’m Batman」のアドリブがシリーズの象徴的台詞になった。
ヴィッキー・ヴェール(キム・ベイシンガー):報道カメラマン。バットマンとジョーカー双方から注目される存在となり、物語を動かす重要な役割を担う。
作品データ・制作秘話
ジョーカー役にはロビン・ウィリアムズ、ティム・カリー、ウィレム・デフォーらの名前があがっていた。最終的にジャック・ニコルソンが選ばれ、出演料600万ドルに加えてバックエンド収益を要求。最終的に総額6000万ドルを超える報酬を得たとされる。
撮影はイギリスのパインウッド・スタジオで行われ、ゴッサム・シティのセットは巨大な屋内セットとして建設された。ティム・バートンのゴシック美学が全編に漂い、それまでのコミック映画とは一線を画す暗い世界観を確立。本作の成功がスーパーヒーロー映画という一大ジャンルの礎を築いた。プリンスによるサウンドトラックもビルボード1位を獲得。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★★(5/5)
スーパーヒーロー映画の歴史を変えた金字塔。ジャック・ニコルソンのジョーカーはヒース・レジャーやホアキン・フェニックスらの後継者によっても超えられない独自の輝きを持つ。「薄暗い月夜に悪魔と踊ったことはあるか?」——この問いは今も世界中で語り継がれている。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。