2014年、チャド・スタエルスキ監督・キアヌ・リーブス主演。引退した伝説の殺し屋が、妻の形見の子犬を殺されたことで復讐の鬼と化す——シンプルにして強烈な動機が生んだ現代アクション映画の金字塔。「ガン・フー(Gun-Fu)」と呼ばれる銃撃と格闘を融合させた独自のアクションスタイルで映画史を塗り替えた。

制作費3000万ドルに対して全世界で8800万ドルを稼ぎ出し、シリーズ4作に渡る大フランチャイズへと成長。IMDb7.4点・全世界興行収入8800万ドル。

映画基本情報

タイトル:ジョン・ウィック(John Wick)
公開年:2014年
監督:チャド・スタエルスキ、デヴィッド・レイッチ
脚本:デレク・コルスタッド
音楽:タイラー・ベイツ、ジョエル・J・リチャード
出演:キアヌ・リーブス(ジョン・ウィック)、マイケル・ニクヴィスト(ヴィゴ・タラソフ)、アルフィー・アレン(イオセフ・タラソフ)、ウィレム・デフォー(マーカス)、イアン・マクシェーン(ウィンストン)
上映時間:101分
製作:ライオンズゲート
全世界興行収入:8800万ドル

あらすじ

元伝説の殺し屋ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)は、最愛の妻ヘレンを病気で亡くす。ヘレンが旅立ちの際に手配していた1匹の子犬「デイジー」が届き、ジョンは新たな生きる希望を見出す。

しかしある夜、ロシア・マフィアの御曹司イオセフ(アルフィー・アレン)率いる男たちがジョンの家に押し入り、愛車を奪いデイジーを殺してしまう。イオセフはジョン・ウィックという名前を知らなかった——それが命取りとなる。

ジョンの復讐が始まった。殺し屋の世界では独自のルールと通貨「コイン」が存在し、殺し屋専用ホテル「コンチネンタル」では一切の暴力が禁止されている。ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト)率いるロシア組織は全員でジョンを迎え撃つが——ジョンはかつて組織の礎を築いた男だった。

心に残る名言集

名言①「ヘレンが死んで、俺はすべてを失った——あの犬は妻からの最後の贈り物だった。俺はもう戻ってきた」

“When Helen died, I lost everything. Until that dog arrived on my doorstep. A final gift from my wife. People keep asking if I’m back and I haven’t really had an answer. But now, yeah, I’m thinkin’ I’m back.”
― ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net・Ranker確認済み。ヴィゴに向かって放つ本作最大の台詞。子犬の死という「動機」が悲しみであり怒りであり愛情でもあることを一言で体現した名言。「I’m thinkin’ I’m back」はシリーズを通じて最も引用される言葉となった。

名言②「ジョンはまさに集中力、意志の力、そして決意の男だ——バーで男3人を鉛筆1本で殺したのを見た」

“John is a man of focus, commitment, sheer will. I once saw him kill three men in a bar with a pencil. With a fuckin’ pencil.”
― ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト)

IMDb・Wikiquote・TV Tropes確認済み。息子に「ジョン・ウィックとは何者か」を説明するヴィゴの言葉。「鉛筆1本で3人を殺した」というあり得ない逸話がジョンの伝説性を語る最高の台詞で、本作を象徴するセリフとして映画ファンに広く知られている。

名言③「ジョンは”死神”そのものじゃない——死神を殺しに送り込む男だ」

“Well, John wasn’t exactly the Boogeyman. He was the one you sent to kill the fuckin’ Boogeyman.”
― ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト)

IMDb・Wikiquote・Ranker確認済み。息子が「死神(バーバ・ヤーガ)?」と聞いた後のヴィゴの返し。”the Boogeyman”の一言でジョンの人外的な強さを表現した台詞で、本シリーズ全体の空気感を決定づけた名言。

名言④「お前が怒らせたのは何者かではなく——誰を怒らせたかだ」

“It’s not what you did, son, that angers me so. It’s who you did it to.”
― ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト)

IMDb・Wikiquote確認済み。息子のイオセフに激怒するヴィゴの言葉。ジョン・ウィックという男の恐ろしさを「何をされたか」ではなく「誰にしたか」という視点で語る名言で、映画全体の「ジョン・ウィックという伝説」の確立に最も貢献している台詞。

名言⑤「人は変わらない——時代が変わるだけだ」

“People don’t change. Times do.”
― ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト)

IMDb・Quotes.net・Ranker確認済み。ヴィゴがジョンの変わらない本性を語る哲学的な台詞。「引退した殺し屋」という前提を崩す本作の核心テーマを一言で言い表す。

こんな人におすすめ・必見シーン

アクション映画が好きな方、キアヌ・リーブスのファン、スタイリッシュなガン・アクションを見たい方に強くおすすめ。「マトリックス」のようなクールで洗練されたアクションが好きな方は必見。同じキアヌ主演の映画「スピード」や続編の「ジョン・ウィック:チャプター2」もあわせてどうぞ。

必見シーン①:ナイトクラブでの戦闘。敵の本拠地「レッド・サークル」でジョンが数十人の手下を相手に戦う場面。狭い空間で銃撃と格闘を融合させた「ガン・フー」の洗礼。キアヌ・リーブスが約3ヶ月間の訓練を積んだ成果がこのシーンに凝縮されている。

必見シーン②:コンチネンタル・ホテルの世界観。殺し屋専用ホテル「コンチネンタル」とその支配人ウィンストン(イアン・マクシェーン)の登場シーン。裏社会のルールと独自の経済システムが明かされ、シリーズ全体の世界観が確立される。

必見シーン③:クライマックスのヴィゴとの一騎打ち。雨の中での最終対決。殺し屋としての技術ではなく、純粋な男と男の格闘に帰結するラストシーンは、映画全体の感情的なカタルシスを完璧に体現している。

登場人物紹介

ジョン・ウィック(キアヌ・リーブス):伝説の殺し屋にして最愛の妻を失った男。リーブスは本作の準備に3ヶ月間を費やし、柔道・柔術・3ガン競技を訓練。スタントマンなしで撮影に臨んだ全身全霊の演技が世界を驚かせた。

ヴィゴ・タラソフ(マイケル・ニクヴィスト):ロシア・マフィアのボス。ジョンと因縁があり、息子のしでかしたことの深刻さを誰よりも理解している。スウェーデン出身の名優ニクヴィストは本作で最高の「知的なヴィラン」を演じた。

ウィンストン(イアン・マクシェーン):コンチネンタル・ホテルの支配人。殺し屋の世界のルールを守護する中立的な存在で、独特の威厳がある。マクシェーンはシリーズを通じてこの役を演じ続けている。

作品データ・制作秘話

監督のチャド・スタエルスキはキアヌ・リーブスの「マトリックス」シリーズでスタントダブルを務めたプロのスタントマン。本作が長編映画監督デビュー作となる。「ガン・フー」と呼ばれる独自のアクションスタイルは、ジョン・ウー監督の香港アクション映画と、柔術・柔道のリアルな動きを融合させたもの。

当初脚本のタイトルは「Scorn(軽蔑)」。キアヌ・リーブスは現場でしばしばキャラクター名を「ジョニー・ウィック」と呼んでいたため、それが映画のタイトルに転用された逸話が有名。

映画で使われた「コイン」は実際のプロップとして制作され、シリーズの世界観を象徴するアイテムとなった。映画の大ヒットを受けてシリーズは4作まで続き、スピンオフドラマ「ザ・コンチネンタル」もPeacockで配信された。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★★(5/5)

2010年代のアクション映画を根本から変えた一作。「子犬を殺された男の復讐」という究極にシンプルな動機と、それを支える緻密な世界観と圧倒的なアクションの融合は、公開から10年以上経った今も色あせない。キアヌ・リーブスの体を張った演技と、スタントマン出身の監督による革命的なアクション演出は必見。

アクション映画好きなら「ジョン・ウィック1」は聖典と言っていい。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。