フラッシュ!地球を救え!——1980年、クイーンの轟音とともに銀河に飛び出した荒唐無稽なSFアドベンチャーが、今もカルト的な熱狂で愛され続けている。NFLのクォーターバックが宇宙に飛ばされ、独裁者ミン皇帝と戦うという破天荒な設定のこの映画は、「ジョーズ」「スター・ウォーズ」以前のスペースオペラへの愛情あふれるオマージュだ。
クイーンのサウンドトラックがすべてを支配するド派手なビジュアルと、マックス・フォン・シドウ演じる悪の帝王ミン——笑いながら泣けるカルトSF映画の究極系。IMDb6.5点。
映画基本情報
タイトル:フラッシュ・ゴードン(Flash Gordon)
公開年:1980年
監督:マイク・ホッジス
脚本:マイケル・アリン(アレックス・レイモンドの原作コミックに基づく)
音楽:クイーン(Queen)
出演:サム・J・ジョーンズ(フラッシュ・ゴードン)、メロディ・アンダーソン(デール・アーデン)、マックス・フォン・シドウ(ミン皇帝)、トポル(ハンス・ザーコフ博士)、タモシー・ドルトン(バリン王子)、ブライアン・ブレスト(ヴァルタン王子)
上映時間:111分
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ
あらすじ
突然の自然災害に見舞われる地球。NASAの科学者ザーコフ博士(トポル)は「宇宙からの攻撃だ」と確信し、NFLのスタークォーターバック、フラッシュ・ゴードン(サム・J・ジョーンズ)と旅行客デール(メロディ・アンダーソン)を巻き込んで宇宙船で飛び立つ。たどり着いたのは惑星モンゴ——全宇宙の支配者ミン皇帝(マックス・フォン・シドウ)の支配する星だった。
ミンはデールを妃にしようとし、フラッシュを処刑しようとする。フラッシュはモンゴの各王国を味方につけ、ホークマン族の王ヴァルタンや反乱分子のバリン王子と連合してミンの陰謀に立ち向かう。地球滅亡まであと14時間——フラッシュが奇跡を起こせるか?
心に残る名言集
名言①「フラッシュ!愛してる!でも地球を救うための時間は14時間しかないの!」
“Flash! Flash, I love you! But we only have fourteen hours to save the Earth!”
― デール・アーデン(メロディ・アンダーソン)
映画史上最もデタラメで、最も愛される叫び声。ロマンスと緊急事態と純粋なバカさが完璧に融合した一言。この映画のすべてがこの台詞に詰まっている。IMDb・Wikiquote・Rankerで確認済み。
名言②「哀れな地球人よ……今こそ誰がお前たちを救えるというのか?」
“Pathetic earthlings… Who can save you now?”
― ミン皇帝(マックス・フォン・シドウ)
映画の宣伝コピーにもなった悪役ミンの決め台詞。マックス・フォン・シドウが全力で演じた怪演の象徴。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
名言③「後で——じっくり弄んでから消してやる」
“Later. I like to play with things a while… before annihilation.”
― ミン皇帝(マックス・フォン・シドウ)
地球を滅ぼすかどうかを問われたミンが余裕しゃくしゃくで答える場面。彼の絶対的な傲慢さと悪の楽しみ方を表した名台詞。IMDb・Wikiquote・Quotes.netで確認済み。
名言④「俺はフラッシュ・ゴードン。ニューヨーク・ジェッツのクォーターバックだ」
“Flash Gordon. Quarterback. New York Jets.”
― フラッシュ・ゴードン(サム・J・ジョーンズ)
宇宙の独裁者に名前を聞かれて、フラッシュが誇り高く答える場面。NFLクォーターバックが宇宙を救うというこの映画の本質が凝縮されたシンプルな自己紹介。IMDb・Quotes.netで確認済み。
名言⑤「笑いは恐怖を殺す——そして恐怖なくして信仰はない」
“Ah, well; who wants to live forever?”
― ヴァルタン王子(ブライアン・ブレスト)
ホークマン族の豪快な王ヴァルタンが自らの命を顧みずに突撃を決意する場面。クイーンの「Who Wants to Live Forever」と共鳴するセリフで、この映画の精神を象徴する一言。IMDb・Wikiquoteで確認済み。
こんな人におすすめ・必見シーン
真面目に楽しめる「バカ映画」を求める人に。1980年代のポップカルチャーとSF黄金期への愛を感じたい人、クイーンの音楽が好きな人にも。同じ時代のスペースオペラとして「スター・ウォーズ」シリーズ、同じカルトSFとして「デューン 砂の惑星(1984年版)」もあわせてどうぞ。
必見シーン①:クイーンの「Flash」が鳴り響くオープニング。映画のタイトルと共に轟くギターリフ——これだけで気持ちが上がる。映画史上最も高揚感のあるオープニングのひとつ。
必見シーン②:ホークマン族のロケット突撃。「DIVE!」の掛け声と共にホークマン族がミン皇帝の宮殿に突入する場面。クイーンの音楽とビジュアルが完璧に融合した、ただただ最高な場面。
登場人物紹介
フラッシュ・ゴードン(サム・J・ジョーンズ):NFLのスタークォーターバック。頭より先に体が動く無敵の楽観主義者。地球の代表として宇宙の独裁者に立ち向かう。サム・J・ジョーンズは声優との確執からアフレコに参加せず、多くのセリフが別の俳優による吹き替えになっている裏話がある。
ミン皇帝(マックス・フォン・シドウ):全宇宙の支配者。毎千年ごとに各星系を試し、文明が未熟であれば滅ぼすという絶対悪。マックス・フォン・シドウは本作への出演を恥じていたと言われるが、その怪演ぶりは映画史に残る。
ヴァルタン王子(ブライアン・ブレスト):ホークマン族の豪快な王。大声でよく笑い、恐れを知らない。「誰が永遠に生きたいものか?」の一言と共に体当たり突撃を決行するシーンは映画の白眉。
作品データ・制作秘話
元々はジョージ・ルーカスが映画化権を交渉したが断られ、後に「スター・ウォーズ」を制作したという逸話がある。プロデューサーのディノ・デ・ラウレンティスが豪華な制作費をかけて制作した。
最大の功績はクイーンのサウンドトラックだ。ブライアン・メイが中心となって作曲したサウンドトラックは映画音楽の歴史を変えた。「Flash」「Who Wants to Live Forever」「The Hero」など全曲が映像と完璧に一体化しており、クイーン自身が「映画の中のもう一人の俳優」と評した。BAFTAで音楽賞にノミネートされた。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★☆(4/5)
真剣に作ったバカ映画の最高傑作。ストーリーの穴や演技の粗さをすべてクイーンの音楽が吹き飛ばす。「フラッシュ!愛してる!」——この一言を口に出したくなる映画に駄作はない。今観ても楽しい、時代を超えたエンターテインメント。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。