1984年製作のアメリカ映画。ミロス・フォアマン監督、F・マーリー・エイブラハム主演。天才作曲家モーツァルトの生涯を、彼を妬む宮廷音楽家サリエリの視点から描いた歴史的傑作。第57回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞を含む8部門を受賞。才能への嫉妬・神への反逆・凡庸であることの苦悩という普遍的なテーマが、18世紀ウィーンの絢爛な宮廷文化を舞台に描かれる。IMDb8.4点・ロッテン・トマト90%。映画を観た後ではモーツァルトの音楽の聴こえ方が変わる、一度観たら忘れられない傑作。
1984年、ミロス・フォアマン監督・F・マーリー・エイブラハム主演。天才作曲家モーツァルトの生涯を、彼を妬む宮廷音楽家サリエリの視点から描いたアカデミー賞8部門受賞の歴史的傑作。才能への嫉妬・神への反逆・凡庸であることの苦悩という普遍的なテーマが、18世紀ウィーンの絢爛な宮廷文化を舞台に描かれる。
第57回アカデミー賞で作品賞・監督賞・主演男優賞(F・マーリー・エイブラハム)・脚色賞など8部門を受賞。ピーター・シェーファーのブロードウェイ舞台劇を映画化。IMDb8.4点・ロッテン・トマト90%。
映画基本情報
タイトル:アマデウス(Amadeus)
公開年:1984年
製作国:アメリカ
監督:ミロス・フォアマン
脚本:ピーター・シェーファー
音楽:ネヴィル・マリナー(モーツァルト作品を指揮)
出演:F・マーリー・エイブラハム(サリエリ)、トム・ハルス(モーツァルト)、エリザベス・ベリッジ(コンスタンツェ)
上映時間:160分(ディレクターズ・カット版180分)
アカデミー賞:8部門受賞(作品賞・監督賞・主演男優賞ほか)
あらすじ
1823年、ウィーン。老いた作曲家アントニオ・サリエリが自らの喉をかき切り、精神病院に運ばれる。神父に告白を始めた彼が語り出したのは、かつての宮廷音楽家時代の記憶だった。神に音楽の才を与えられたと信じ、生涯を音楽に捧げてきたサリエリ。しかし皇帝ヨゼフ二世の宮廷に現れた若き天才、ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトは、下品で軽薄で品性のかけらもない男だった。
だがその口から生まれる音楽は、神が直接語りかけるような奇跡の音だった。モーツァルトの才能を誰よりも正確に理解できるがゆえに、自分の凡庸さを誰よりも深く思い知らされるサリエリ。嫉妬と崇拝が混じり合う感情が、やがて一人の天才の死へと向かっていく。
心に残る名言集
名言①「私はすべての凡庸な者たちのために語ろう」
“I will speak for you, Father. I speak for all mediocrities in the world. I am their champion. I am their patron saint.”
― アントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)
IMDb・Wikiquote確認済み。映画のラスト近く、精神病院の廊下を車椅子で進みながら周囲の患者たちに語りかけるサリエリの言葉。神に選ばれなかったすべての人間の代弁者として立つという宣言であり、慟哭であり、皮肉でもある。天才を隣で見続けた凡人の苦悩を凝縮した、映画史に残る台詞。
名言②「音符を一つ変えれば損なわれる」
“Displace one note and there would be diminishment. Displace one phrase and the structure would fall.”
― アントニオ・サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)
IMDb・Wikiquote確認済み。モーツァルトの直筆楽譜を初めて見たサリエリの心の声。一切の修正がなく完璧な状態で書かれた楽譜を目の前に、「神の声を直接書き留めた」と悟る場面。才能とは何か、完璧とは何かを最も端的に表現した名言。
名言③「音符が多すぎる」
“My dear young man, don’t take it too hard. Your work is ingenious. It’s quality work. And there are simply too many notes, that’s all. Just cut a few and it will be perfect.”
― 皇帝ヨゼフ二世(ジェフリー・ジョーンズ)
IMDb確認済み。オペラ初演後に皇帝がモーツァルトに告げた批評。「どの音符を削ればよいのですか、陛下?」というモーツァルトの切り返しとセットで、この映画最大の笑いと皮肉を生む場面。権威が天才を理解できない滑稽さと悲劇を同時に描く。
作品データ・制作秘話
「カッコーの巣の上で」でアカデミー賞を制したミロス・フォアマン監督とプロデューサーのソウル・ゼインツが再タッグを組んだ。チェコ・プラハでの大規模ロケが実現し、18世紀ウィーンの宮廷文化を忠実に再現。フォアマン監督自身がチェコ出身であったことが、この映画の本場感に大きく貢献した。
本作はモーツァルトとサリエリの「史実」ではなく、あくまで戯曲を原作とした「フィクション」。サリエリによるモーツァルト毒殺説は史実ではない。しかし才能への嫉妬という人間の普遍的な感情を描くことで、歴史的事実を超えた真実を映画は掴み取っている。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★★(5/5)
真の主人公はモーツァルトではなくサリエリだ。天才を隣で見続けた凡人の苦悩という普遍的なテーマが、18世紀ウィーンの絢爛な宮廷文化を舞台に描かれる。F・マーリー・エイブラハムの鬼気迫る演技とトム・ハルスが体現した奔放なモーツァルト像の対比が見事。映画を観た後では、モーツァルトの音楽の聴こえ方が変わる。嫉妬・信仰・才能をめぐる究極の人間ドラマ。一度観たら忘れられない傑作。
この映画が好きな人におすすめの作品
「アマデウス」が好きな人には以下もおすすめ。同じミロス・フォアマン監督の「カッコーの巣の上で」(1975年)は、体制に挑む個人を描いた傑作でアカデミー賞5部門を制した。才能と狂気という意味では「シャイン」(1996年)も近い。天才ピアニスト・デヴィッド・ヘルフゴットの実話を描いたこの映画は、才能が本人にとってどれほどの重荷になりうるかを真正面から問う。また「ミスター・ターナー」(2014年)は画家ターナーの晩年を描いた伝記映画で、芸術家の孤独と偉大さを詩的に描いている。いずれも「天才とは何か、凡人とは何か」を問う映画として「アマデウス」と共鳴する。
よくある質問(FAQ)
Q. サリエリは本当にモーツァルトを殺したのですか?
A. 史実ではありません。モーツァルトの死因は急性リウマチ熱による病死と考えられています。サリエリによる毒殺説はプーシキンの戯曲(1830年)に端を発するフィクションで、本作もあくまで戯曲の映画化です。
Q. 「ディレクターズカット版」との違いは?
A. 通常版(160分)に対してディレクターズカット版は約180分。サリエリとモーツァルトの関係をより深く掘り下げるシーンが追加されており、両者の心理描写がより豊かになっています。初めて観る方は通常版から、より深く楽しみたい方はディレクターズカット版がおすすめです。
Q. 映画で使われているモーツァルトの曲は?
A. 交響曲第25番、ピアノ協奏曲第20番、フィガロの結婚、ドン・ジョヴァンニ、魔笛、レクイエムなど多数。音楽監督ネヴィル・マリナー指揮のアカデミー・オブ・セント・マーティン・イン・ザ・フィールズによる演奏で、映画全体に本物のモーツァルトの音楽が満ちています。
Q. 「アマデウス」はどこで観られますか?
A. Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXTなど主要な動画配信サービスで視聴可能です。通常版・ディレクターズカット版ともに配信されており、Blu-rayも発売されています。アカデミー賞8部門受賞という実績から、映画ファン必見の一作として長く親しまれています。
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音楽・芸術をテーマにした映画が好きな方には、映画「スタンド・バイ・ミー」の名言と感想もおすすめです。同じく1980年代の名作として映画「ネバーエンディングストーリー」の名言と感想もあわせてご覧ください。また天才と狂気というテーマでは映画「シャイニング」の名言と感想も関連します。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。