1982年、スティーヴン・スピルバーグ監督・ヘンリー・トーマス主演。宇宙人と少年の友情を描いたスピルバーグの最高傑作にして映画史上最高の「大人も泣ける家族映画」。10歳の少年エリオット(ヘンリー・トーマス)が地球に置き去りにされた宇宙人E.T.と出会い、共に過ごし、別れる——普遍的な「出会いと別れ」の物語。

アカデミー賞4部門受賞(視覚効果賞・音響賞・音響効果編集賞・オリジナルスコア賞)。全世界興行収入7億9300万ドル(公開当時世界歴代1位)。IMDb7.9点・ロッテン・トマト99%。「E.T. phone home.」はAFIが選ぶ「映画史上最高の名言100」第15位。ジョン・ウィリアムズのスコアはアカデミー賞史上最も感動的な音楽のひとつ。

映画基本情報

タイトル:E.T.(E.T. the Extra-Terrestrial)
公開年:1982年
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:メリッサ・マシスン
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ヘンリー・トーマス(エリオット)、ドリュー・バリモア(ガーティ)、ロバート・マクノートン(マイケル)、ディー・ウォレス(メアリー)、E.T.の声:パット・ウェルシュ
上映時間:115分
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ
全世界興行収入:7億9300万ドル(公開当時世界歴代1位)
アカデミー賞:4部門受賞

あらすじ

郊外のカリフォルニア州。父が家を出て行き、母メアリー(ディー・ウォレス)・兄マイケル(ロバート・マクノートン)・妹ガーティ(ドリュー・バリモア)と暮らす10歳のエリオット(ヘンリー・トーマス)は、裏庭で奇妙な生き物を発見する——地球調査に来た宇宙人が仲間の宇宙船に乗り遅れ、一人取り残されていた。

エリオットは宇宙人を「E.T.」と名付け、家の中にこっそり匿う。二人は不思議な心の繋がりを感じ、エリオットがビールを飲むとE.T.も同じように酔っ払い、エリオットが悲しむとE.T.も悲しむ。ガーティが英語を教え、E.T.はやがて「E.T. phone home.(E.T.、家に電話する)」と言えるようになる。

「故郷に帰りたい」というE.T.のために、エリオットと兄マイケル、そしてガーティは自転車で山へと向かう——夕暮れの空を背景に子どもたちの自転車が月の前を横切る瞬間、映画史上最も美しいシーンが生まれる。そして別れの時が来た時、E.T.は輝く指先でエリオットの額に触れながら言う「I’ll be right here.(ここにいる)」と。

心に残る名言集

名言①「E.T.、家に電話する」

“E.T. phone home.”
― E.T.(パット・ウェルシュ 声)

IMDb・Wikiquote・AFI確認済み。AFI「映画史上最高の名言100」第15位。英語を覚え始めたE.T.が「故郷に帰りたい」という気持ちを表現した言葉。「Phone home(家に電話する)」という幼拙な英語表現が、宇宙人の望郷の切なさを完璧に伝える。映画史上最も引用される台詞のひとつ。

名言②「いい子でいてね」

“Be good.”
― E.T.(パット・ウェルシュ 声)

IMDb・Wikiquote・Ranker確認済み。宇宙船に乗り込む前、涙を流すガーティに向かってE.T.が告げる最後の言葉。「Be good.(いい子でいてね)」——大人が子どもに言うこの普遍的な言葉を、宇宙人が感情を持って言う場面は映画史上最も感動的な別れのシーンのひとつ。ガーティ役ドリュー・バリモアの本物の涙がこの場面を完璧にした。

名言③「ここにいる」

“I’ll be right here.”
― E.T.(パット・ウェルシュ 声)

IMDb・Wikiquote確認済み。宇宙船に乗り込む前、指先を光らせながらエリオットの額に触れてE.T.が語る最後の言葉。「I’ll be right here.(ここにいる)」——物理的には遠く離れていても「心の中にいる」という意味。「大切な人との別れと永遠の繋がり」を最も短く、最も完璧に表現した映画史上屈指の名言。

名言④「ここにいれば幸せになれる、俺が守るから——一緒に大きくなろう」

“You could be happy here, I could take care of you. I wouldn’t let anybody hurt you. We could grow up together, E.T.”
― エリオット(ヘンリー・トーマス)

IMDb・Movie Quotes.com・Ranker確認済み。E.T.が死にかけている状態を見たエリオットが語りかける言葉。「一緒に大きくなろう」という少年の願いが、「家族とは何か」「友達とは何か」を問いかける。ヘンリー・トーマスの演技はこの映画で最も感情的に深い場面のひとつ。

名言⑤「一生信じる——E.T.、愛してる」

“I’ll believe in you all my life, everyday. E.T., I love you.”
― エリオット(ヘンリー・トーマス)

IMDb・Ranker・Quotes.net確認済み。E.T.の死体を前に泣き崩れるエリオットが語る言葉。「一生信じる——毎日」という言葉の繰り返しが少年の切実さを体現する。「愛」という言葉を子どもが宇宙人に向けて語るこの場面は、スピルバーグが描いた「純粋な友情」の最高点。

こんな人におすすめ・必見シーン

家族みんなで見られる映画の最高峰。子どもはE.T.の可愛さと冒険に、大人は「別れと友情の普遍的なテーマ」に涙する。スピルバーグの同時期の傑作としてSFファンには「DUNE」も、また同じ1980年代の宇宙・ファンタジー映画として映画「ネバーエンディングストーリー」もあわせてどうぞ。

必見シーン①:自転車と月のシーン。夕暮れの空を背景に、エリオットたちの自転車が満月の前を横切る場面。ジョン・ウィリアムズの音楽と共に映画史上最も美しい映像のひとつが生まれる。スピルバーグのシルエット技法の最高峰。

必見シーン②:E.T.の「復活」。死んだように見えたE.T.の心臓部が光り始める場面。花の復活、エリオットとの心の繋がりの回復——この場面を見てどんな大人も泣かずにいられない。

必見シーン③:別れのシーン。E.T.が「I’ll be right here.」と指先でエリオットの額に触れる別れの場面。宇宙船の光の中でE.T.が去っていく映像はジョン・ウィリアムズの音楽と共に映画史上最高の「別れ」として永遠に残っている。

登場人物紹介

エリオット(ヘンリー・トーマス):本作のオーディションでスピルバーグを涙させた演技で知られる。「E.T.と別れる場面を想像してみて」と言われた10歳のトーマスが見せた本物の涙がスピルバーグを感動させ、その場でキャスティングが決まった。現在も俳優として活動中。

ガーティ(ドリュー・バリモア):「チャーリーズ・エンジェル」シリーズで知られるドリュー・バリモアが7歳で演じた妹役。別れのシーンでの本物の涙は演技でなく実際の感情だったとされる。現在まで「本作は自分の最高の出演作のひとつ」と語り続けている。

E.T.(デザイン:カルロ・ランバルディ、声:パット・ウェルシュ):E.T.の声を担当したパット・ウェルシュは喫煙者で独特の低くしゃがれた声を持っていた。その声がE.T.に人間的な温かみと宇宙人らしさを同時に与えた。E.T.の外見デザインはアルバート・アインシュタイン・カール・サンドバーグらをモデルにしたとされる。

作品データ・制作秘話

スピルバーグは本作の製作中に両親の離婚という子どもの頃の心の傷を改めて向き合った。「エリオットは子どもの頃の私だ——父親がいなくて孤独だった」と語っており、E.T.との友情は「自分が幼い時に必要としていた友達」の象徴だという。

スピルバーグはレーガン大統領とのホワイトハウスでの映画鑑賞会について語っており、「上映後にレーガン大統領が『ここにいる人間の多くが知らないことを言ってもいいですか?これは本当の話です』と耳打ちしてきた」とエピソードを明かした。

2002年に公開された「E.T. 特別版」では一部の政府職員の銃がウォーキートーキーにCGで差し替えられたが、批評家とファンの反発を受けスピルバーグは「将来のリリースでは元のバージョンに戻す」と約束した。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★★(5/5)

映画史上最高の「家族映画」にして「友情映画」。「I’ll be right here.(ここにいる)」——たった4語でスクリーンを通して何百万人の心を壊したスピルバーグの傑作。子どもの時に見ても大人になってから見ても、初めて見ても何度目でも、必ず泣ける稀有な映画。

「E.T. phone home.」はただの台詞ではなく——「帰りたい場所がある」という人間の最も根本的な欲求の表現だ。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。