2012年、クリストファー・ノーラン監督・クリスチャン・ベール主演。ノーランの「ダークナイト三部作」完結篇。「ダークナイト」から8年後、罪をかぶって失墜したバットマンが伝説のテロリスト・ベイン(トム・ハーディ)の前に再び立ち上がる——英雄の終焉と再生を描いた壮大な幕引き。
アン・ハサウェイ(キャットウーマン)、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット、マリオン・コティヤール共演。IMDb8.4点・全世界興行収入10億8100万ドル。「一人の人間が英雄になり、英雄が伝説になる」という三部作の完璧な着地点として映画史に刻まれた傑作。
映画基本情報
タイトル:ダークナイト ライジング(The Dark Knight Rises)
公開年:2012年
監督:クリストファー・ノーラン
脚本:クリストファー・ノーラン、ジョナサン・ノーラン
音楽:ハンス・ジマー
出演:クリスチャン・ベール(ブルース・ウェイン/バットマン)、トム・ハーディ(ベイン)、アン・ハサウェイ(セリーナ・カイル/キャットウーマン)、ジョゼフ・ゴードン=レヴィット(ジョン・ブレイク)、マリオン・コティヤール(ミランダ・テイト)、マイケル・ケイン(アルフレッド)
上映時間:164分
製作:ワーナー・ブラザース
全世界興行収入:10億8100万ドル
あらすじ
「ダークナイト」から8年。ゴッサムシティは表向き平和を取り戻した。しかしバットマンは姿を消し、ブルース・ウェイン(クリスチャン・ベール)はウェイン邸に引きこもって廃人のような生活を送っていた。そこに宝石泥棒のセリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)が現れ、ブルースを世界に引き戻す。
地下水道で活動する謎のテロリスト・ベイン(トム・ハーディ)がゴッサムを標的にする。ラーズ・アル・グールのシャドウ・リーグの後継者であるベインは、ゴッサムを「腐敗した富裕層から市民へ取り戻す」という革命的なスローガンを掲げながら、核爆弾でゴッサムを壊滅させようとする。
バットマンはベインとの戦いで敗北し、背骨を折られて東洋の監獄「ピット」に落とされる。絶望の中で這い上がることを繰り返したブルースはついに「恐怖を持って跳ぶ」こと——死への恐怖があるからこそ本当の力が出るということを悟り、脱出する。ゴッサムへの帰還、そして三部作の壮大な幕引き。
心に残る名言集
名言①「もうこの人たちに何も負っていない——全てを与えてきたのに」「まだ全てじゃない」
“You don’t owe these people any more. You’ve given them everything.” “Not everything. Not yet.”
― キャットウーマン & バットマン(アン・ハサウェイ & クリスチャン・ベール)
IMDb・Wikiquote・Ranker・TV Tropes確認済み。逃げようとするセリーナがバットマンを引き留めようとする場面。「Not everything. Not yet.」——わずか4語でバットマンという存在の本質と自己犠牲の覚悟を表現する。三部作を通じて最も感動的な台詞のひとつ。
名言②「嵐が来るわ、ウェインさん」
“There’s a storm coming, Mr. Wayne. You and your friends better batten down the hatches, because when it hits, you’re all gonna wonder how you ever thought you could live so large and leave so little for the rest of us.”
― セリーナ・カイル(アン・ハサウェイ)
IMDb・Wikiquote・Screen Rant確認済み。パーティでセリーナがブルースに警告する台詞。「あなたたち富裕層がいずれ支払う代償」を予告する言葉は、ベインの革命の本質と映画のテーマを完璧に予告する。アン・ハサウェイの冷徹な演技がこの台詞に最大限の重みを与える。
名言③「お前は暗闇を味方と思っているが——暗闇を採用しただけだ、俺は暗闇に生まれた」
“Oh, you think darkness is your ally. But you merely adopted the dark; I was born in it, moulded by it.”
― ベイン(トム・ハーディ)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。バットマンが暗闇から奇襲しようとした際にベインが語る言葉。「お前は暗闇を道具として使うが、俺は暗闇から生まれた」という圧倒的な格の差を宣言する台詞。トム・ハーディの仮面越しの低く響く声がこの言葉に神話的な凄みを与える。
名言④「炎は上がる」
“Yes. The fire rises.”
― ベイン(トム・ハーディ)
IMDb・TV Tropes確認済み。仲間から「炎が上がっているか?」と問われたベインの答え。「Yes. The fire rises.」——たった4語で計画の進行と不可逆性を伝えるベインの最も恐ろしい台詞。ゴッサム壊滅計画が着実に進んでいることを示す、本作の緊張感を高める重要な場面。
名言⑤「ゴッサムが灰になったとき——死ぬ許可を与えよう」
“When Gotham is ashes, then you have my permission to die.”
― ベイン(トム・ハーディ)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。バットマンを打ち負かしてピットに投げ込む直前のベインの台詞。「殺すのではなく、ゴッサムが壊滅する瞬間を生きて見せてやる」という最大級の残酷さを一言で体現する。本作の悪役ベインの冷酷さと知性を最もよく表す名言。
こんな人におすすめ・必見シーン
三部作の完結として、映画「バットマン ビギンズ」・映画「ダークナイト」を先に見てから鑑賞してください。前2作なしには本作の感動の50%は失われます。「英雄の引退と最後の戦い」というテーマが好きな方に特におすすめ。
必見シーン①:ベインとの第一戦。バットマンがベインに完膚なきまでに叩きのめされる場面。「これがスーパーヒーローの完敗」という前例のない衝撃が164分の映画の中間地点で訪れる。
必見シーン②:ピットからの脱出。ロープなしで崖を登りきるブルース。「恐怖なき者に真の力はない」という教えの体現として映画史屈指の「再生の場面」となっている。
必見シーン③:ラストシーン——カフェのアルフレッド。アルフレッドが夢に見ていた「ブルースが幸せに生きている姿」を目にする場面。三部作の壮大な弧が完璧に閉じる映画史屈指の感動的な幕引き。
登場人物紹介
ベイン(トム・ハーディ):「マッドマックス 怒りのデス・ロード」「ヴェノム」で知られるハーディが、仮面で口元を覆いながら目と声だけで圧倒的な存在感を発揮。「ジョーカーを超える悪役」という難題に見事に応えた。
セリーナ・カイル/キャットウーマン(アン・ハサウェイ):「プラダを着た悪魔」のアン・ハサウェイが、コミカルさと危険さを同時に体現するキャットウーマンを演じた。「義賊」としてのキャラクターが映画に道徳的複雑さを加える。
ブレイク刑事(ジョゼフ・ゴードン=レヴィット):本作の最も重要な「サプライズ」を担うキャラクター。映画の最終場面で三部作全体が一つの輪として完結する伏線の核心。
作品データ・制作秘話
ベイン役のトム・ハーディは仮面による表情制限を補うため、声と目と体全体での表現を極限まで鍛えた。撮影開始の1年前から体重を大幅に増量し、「生涯最大の体のトレーニング」と語った。仮面の後ろに痛みを管理する装置があるという設定が後付けで加えられた。
ピットの場面はインドのジョードプルにある実際の水没した古城の内部で撮影された。「Deshi basara(立ち上がれ)」と繰り返す囚人たちの声は現地の人々の歌声であり、合成ではなく実際の録音が使われている。
ノーランは三部作のラストとして「バットマンが死ぬか生きるか」について長期間悩んだ。「完全な犠牲」か「報われた英雄の退場」かの選択は脚本段階から最後まで流動的だったという。最終的に選んだ「どちらとも取れるラスト」がアルフレッドのカフェのシーンとして結実した。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★★(5/5)
前2作と比べて批評的評価は若干低いが、三部作の「締め」として見れば完璧に機能する164分。「Not everything. Not yet.」というバットマンの言葉と、カフェのアルフレッドのシーンが重なる瞬間に、三部作全体への深い愛情が込み上げてくる。
「英雄は誰でもなれる——コートを少年の肩に掛けてあげるだけでも」というゴードンの言葉が三部作全体のテーマを締めくくる。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。