2001年、フランク・ダラボン監督・ジム・キャリー主演。「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」で知られるダラボンが、1950年代のマッカーシズム時代を舞台に描いた感動的なヒューマンドラマ。ジム・キャリーがいつものコメディを完全に脱ぎ捨て、記憶喪失の脚本家を演じた意欲作。

マーティン・ランドー、ジェームズ・ホワイトモア、ローリー・ホールデンら実力派俳優が共演。映画館への愛、アメリカの良心と自由への賛歌を描いた感動作。IMDb6.9点・全世界興行収入3730万ドル。

映画基本情報

タイトル:マジェスティック(The Majestic)
公開年:2001年
監督:フランク・ダラボン
脚本:マイケル・スローン
出演:ジム・キャリー(ピーター・アップルトン/ルーク・トリンブル)、マーティン・ランドー(ハリー・トリンブル)、ローリー・ホールデン(アデル・スタントン)、ボブ・バラバン(エルヴィン・クライド)
上映時間:152分
製作:ワーナー・ブラザース・キャッスルロック・エンターテインメント
全世界興行収入:3730万ドル

あらすじ

1951年のハリウッド。新進脚本家のピーター・アップルトン(ジム・キャリー)は、学生時代に女性を口説くために参加した「共産主義集会」が原因で共産主義者の疑いをかけられ、スタジオを解雇される。失意の中、酔って車を走らせ橋から転落し、海岸に打ち上げられた時には記憶を失っていた。

流れ着いたのはカリフォルニア州の小さな町ローソン。そこで住民は彼を、第二次大戦で戦死した英雄・ルーク・トリンブルだと信じて疑わない。ルークの父ハリー(マーティン・ランドー)も彼を息子だと確信し、9年半ぶりに抱きしめる。

記憶のないピーターは「ルーク」として町に溶け込み、父ハリーとともに廃墟と化した映画館「マジェスティック」を復活させる。しかし連邦政府の追手が迫り、やがて自分が本当はピーター・アップルトンであることを思い出す。自由と良心を賭けた最後の選択が彼を待っていた。

心に残る名言集

名言①「横暴が台頭したとき、残りの我々はそれを叩き潰さなければならない——どんな代償を払っても」

“When bullies rise up, the rest of us have to beat them back down, whatever the cost. That’s a simple idea, I suppose, but one worth giving everything for.”
― ルーク・トリンブル(マット・デイモンの声)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。戦死したルーク・トリンブルが残した手紙の言葉。映画全体のテーマを体現する最も力強い台詞で、マッカーシズムの時代に横暴な権力に立ち向かうことの正しさを語る。ルークの声はマット・デイモンが担当している。

名言②「自分を見つけようとしているただの男だ」

“Just a guy trying to figure things out.”
― ピーター・アップルトン(ジム・キャリー)

IMDb・Quotes.net確認済み。「お前は本当に何者だ」と問い詰められたピーターの答え。記憶喪失の状態でも「本当の自分」を探しているという言葉が、映画全体のテーマである「自己発見と勇気」をシンプルに言い表している。

名言③「あの映画館はマジェスティックと呼ばれた——誰でも切符を買えば入れた。それだけで十分だった」

“That’s why we call it The Majestic. Any man, woman, child could buy their ticket, walk right in.”
― ハリー・トリンブル(マーティン・ランドー)

IMDb・Quotes.net確認済み。ハリーが「マジェスティック」という映画館の名前の意味を語る台詞。映画というものが人種や階級を超えて全ての人に開かれた「夢の場所」であったことを語り、映画への深い愛情が伝わる名言。

名言④「私はかつて大した信念を持つ男ではなかった——でも彼は違った」

“I’ve never been a man of great conviction. I never saw the percentage in it… and quite frankly, I suppose I lacked the courage. See, I’m not like Luke Trimble.”
― ピーター・アップルトン(ジム・キャリー)

IMDb・Quotes.net確認済み。議会の公聴会でピーターが自分とルークを比較しながら語る台詞。これまで信念を持たずに生きてきた男が、「ルーク」として生きた経験を通じて本物の勇気を得る——その変化の核心を語る。

名言⑤「あなたのアメリカは苦い——残酷で、小さい」

“The America represented in this room is not the America he died defending. I think he’d tell you your America is bitter… and cruel… and small.”
― ピーター・アップルトン(ジム・キャリー)

IMDb・Quotes.net確認済み。議会の非米活動委員会の公聴会でのピーターのクライマックスの台詞。マッカーシズムという魔女狩りの時代に「真のアメリカ」を問い直す言葉として、映画の最大のハイライトとなる名場面。

こんな人におすすめ・必見シーン

「ショーシャンクの空に」「グリーンマイル」が好きな方、1950年代のアメリカの歴史に興味がある方、ジム・キャリーのシリアスな演技を見たい方に強くおすすめ。映画館への愛と自由への賛歌は、映画好きの心に特に深く刺さる。同じジム・キャリーのシリアス路線として映画「トゥルーマン・ショー」もあわせてどうぞ。

必見シーン①:マジェスティック映画館の復活。ハリーとピーターが廃墟の映画館を二人で修復していく場面。映画への愛情がスクリーンにあふれ出すような感動的な場面で、マーティン・ランドーの演技が圧倒的に素晴らしい。

必見シーン②:記憶が戻る瞬間。映画館で自分が脚本を書いた映画を見た瞬間に、ピーターの記憶がよみがえる場面。ジム・キャリーの演技が無言のまま雄弁に感情を語る名場面。

必見シーン③:議会公聴会でのスピーチ。クライマックスでピーターが非米活動委員会に向けて「真のアメリカ」を語るスピーチ。コメディ俳優としてのイメージを完全に払拭したキャリーの渾身の演技が炸裂する。

登場人物紹介

ピーター・アップルトン/ルーク・トリンブル(ジム・キャリー):記憶を失った脚本家が「戦争英雄」として生きる中で本物の信念を見つけていく。キャリーにとって最も挑戦的な役どころで、この演技が後の「エターナル・サンシャイン」への布石となった。

ハリー・トリンブル(マーティン・ランドー):記憶喪失のピーターを息子だと信じる老父。マーティン・ランドーの老練な演技は映画全体の感情的な軸となっており、ピーターとの父子関係の場面は何度見ても胸を打つ。

アデル(ローリー・ホールデン):戦死したルークの婚約者だった弁護士。ピーターの正体に気づきながらも深みにはまっていく複雑な心情を繊細に演じた。

作品データ・制作秘話

監督のフランク・ダラボンは本作でスティーヴン・キング原作以外の映画を初めて手がけた。マッカーシズムの時代への深いリサーチと、「映画館という夢の場所」への愛情が脚本全体に込められている。

ルーク・トリンブルの声を担当したのはマット・デイモン。当時の出演料などは非公開だが、ダラボン監督との親交がカメオ的参加に繋がったとされている。劇中の映画「サンド・パイレーツ」に登場するB級映画スター役はブルース・キャンベルが演じている。

撮影はカリフォルニア州のフェルンデールという実在の小さな町で行われた。「マジェスティック」映画館は市営駐車場の一角に本物と見間違えるほどの精巧なセットを建設して撮影された。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★★☆(4/5)

批評的には酷評されたが、「ショーシャンクの空に」を愛するすべての人に見てほしい映画。映画への愛、自由への信念、父と子の絆——ダラボン監督の真骨頂が詰まっている。152分という長さは確かに感じるが、後半の公聴会シーンの感動でその長さが全て報われる。

ジム・キャリーがここまでシリアスに、かつ感動的に演じられると知ったのが本作だという人も多い。コメディ以外のキャリーを見たい方には必見の一本。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。