1997年、トム・シャダック監督・ジム・キャリー主演。「嘘をつくことで成功してきた弁護士が、息子のバースデーウィッシュで24時間嘘がつけなくなる」というシンプルながら天才的なアイデアのコメディ映画。ジム・キャリーの肉体を使ったコメディが全編を通じて炸裂する、1990年代を代表する傑作のひとつ。
脚本にはジャド・アパトウが無クレジットで参加。IMDb6.9点・全世界興行収入3億200万ドル。ゴールデングローブ賞ミュージカル・コメディ部門主演男優賞にノミネートされた。
映画基本情報
タイトル:ライアー・ライアー(Liar Liar)
公開年:1997年
監督:トム・シャダック
脚本:ポール・ゲイ、スティーヴン・マズール
出演:ジム・キャリー(フレッチャー・リード)、マウラ・ティアニー(オードリー・リード)、ジャスティン・クーパー(マックス・リード)、キャリー・エルウィス(ジェリー)、ジェニファー・ティリー(ミランダ)
上映時間:86分
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ
全世界興行収入:3億200万ドル
あらすじ
敏腕弁護士のフレッチャー・リード(ジム・キャリー)は、嘘をつくことで依頼人を勝訴させてきた「勝ちにこだわる」弁護士。しかし仕事最優先の生活のせいで元妻のオードリーとは離婚し、息子のマックスとの約束もたびたびすっぽかしてしまう。
マックスの5歳の誕生日、フレッチャーはまたも約束を破ってしまう。誕生日ケーキのろうそくを吹き消す瞬間、マックスは心から願う——「パパが24時間、嘘がつけなくなりますように」と。
翌朝から、フレッチャーの口からは本音しか出てこなくなる。「太った?」と聞いてくる同僚に「ああ、めちゃくちゃ太った」。上司の罵倒をそのまま本人に言ってしまう。そして最悪のことに、今日は依頼人の離婚裁判——嘘をつかなければ負けてしまう裁判が控えていた。
心に残る名言集
名言①「ペンは青い——くそっ、ペンは青い!」
“The pen is blue! The pen is blue! The goddamn pen is blue!”
― フレッチャー・リード(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。青いペンを手に取り「赤い」と言おうとするが、全身が抵抗して言えない場面。「ペンは青い」という言葉で嘘がつけない状態を確信するフレッチャーの絶望と混乱を、キャリーが全身を使って演じる本作最大の名シーン。
名言②「真実があなたを自由にする!」
“AND THE TRUTH SHALL SET YOU FREE!”
― フレッチャー・リード(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote確認済み。裁判の最中、依頼人の嘘が逆に彼女を救う大逆転のヒントになった瞬間にフレッチャーが叫ぶ台詞。皮肉的にも「嘘つき弁護士」が「真実」に救われるというコメディの核心を体現した名場面。
名言③「大人には嘘が必要なこともある」
“Sometimes grownups need to lie.”
― フレッチャー・リード(ジム・キャリー)
IMDb・Quotes.net確認済み。息子のマックスに誕生日の願いを取り消すよう頼む場面でのフレッチャーの言葉。本心では嘘が必要と信じていた彼が24時間後に気づくのは「嘘より大切なもの」——その変化への伏線となる台詞。
名言④「なぜ止めたのか聞かれたら?——それほど長く追いかけていなかったから」
“Depends on how long you were following me.”
― フレッチャー・リード(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote確認済み。交通違反で止められた警官に「なぜ止めたかわかるか?」と問われてのフレッチャーの答え。嘘がつけない状態になって初めて出る「正直すぎる返答」がこの映画のユーモアを象徴する名シーン。
名言⑤「俺は自分自身を軽蔑している——あなたが俺を軽蔑する理由などない」
“I hold myself in contempt! Why should you be any different?”
― フレッチャー・リード(ジム・キャリー)
IMDb・Wikiquote・Quotes.net確認済み。裁判中に「侮辱罪で法廷侮辱とする」と言われた直後の返しが「俺も自分を侮辱している」という逆転の台詞。ジム・キャリーの瞬発的なコメディセンスが光る法廷シーンの名場面。
こんな人におすすめ・必見シーン
ジム・キャリーのコメディが好きな方、法廷映画が好きな方、家族の絆を扱ったハートウォーミングな映画を楽しみたい方におすすめ。見終わった後に「自分はどれくらい嘘をついているか」を考えさせられる、笑いの中にメッセージが込められた映画。同じジム・キャリー主演の映画「トゥルーマン・ショー」や映画「マスク」もあわせてどうぞ。
必見シーン①:青いペンのシーン。「ペンは赤い」と言おうとして全身が反乱を起こすシーン。キャリーの全身を使った物理コメディの極致で、映画史に残る名場面。アドリブが多く含まれていたとされている。
必見シーン②:法廷での大暴走。本音しか言えないまま裁判に臨んだフレッチャーが、依頼人の証人に向かって「お前は嘘をついている!」と叫ぶ場面。裁判をサーカスにしてしまうキャリーの演技が炸裂する。
必見シーン③:空港でのクライマックス。元妻と息子がボストンへ向かう飛行機を止めようとするフレッチャーのラストシーン。コメディから一転して感動的な父と子の場面へと移行する、映画の真骨頂。
登場人物紹介
フレッチャー・リード(ジム・キャリー):敏腕かつ嘘つきの弁護士。24時間の「本音縛り」を通じて、本当に大切なものに気づいていく。キャリーは出演料2000万ドルを受け取った当時の最高額俳優のひとりであり、自身の離婚体験がこの役に影響したとも語っている。
マックス(ジャスティン・クーパー):フレッチャーの5歳の息子。純粋な願いでパパを変えようとする。子役ジャスティン・クーパーの自然な演技がキャリーとの父子関係に説得力を与えている。
オードリー(マウラ・ティアニー):フレッチャーの元妻。息子を守りながらも元夫への愛情を捨てきれない複雑な立場を誠実に演じ、映画の感情的な芯を担っている。
作品データ・制作秘話
ジム・キャリーは、「嘘がつけない」という状況を演じるにあたって実際の弁護士たちと事前にリサーチを行い、法廷でのマナーや弁護士らしい話し方を学んでから撮影に臨んだ。
「青いペン」のシーンは脚本にはあったが、キャリーのアドリブによって大幅に膨らんだ名シーン。撮影スタッフが笑いすぎて何度もNGになり、本番でもキャリーはほとんど自由にやらせてもらったという。
階段を転げ落ちるシーンでキャリーはスタントマンを断り自らこなした。その献身的なアプローチが、本作でのキャリーの評価を高める一因となっている。脚本のジャド・アパトウは後にプロデューサー・監督として「40歳の童貞男」「knocked Up」などを世に出すことになる。
総評・おすすめ度
おすすめ度:★★★★★(5/5)
ジム・キャリーのコメディ映画の中で「最も笑えて最も感動できる」一作。「嘘をつかなければ生きていけない弁護士が、嘘をつけなくなる」というアイデアの完成度は今見ても驚異的で、笑いとハートウォーミングなメッセージが完璧なバランスで共存している。
「自分はどれくらい嘘をついているだろう」——見終わった後にそう考えさせる映画は珍しい。単なるドタバタコメディではなく、父と子の絆を丁寧に描いた秀作。
※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。