1979年、スティーヴン・スピルバーグ監督。真珠湾攻撃直後のロサンゼルスを舞台に、日本軍の上陸を恐れる市民たちのパニックと大混乱をコメディとして描いた作品。ジョン・ベルーシ、ダン・エイクロイド、クリストファー・リー、三船敏郎ら豪華キャストが集結。

スピルバーグ唯一の本格コメディ大作で、当時の制作費は最高額クラスに属した。興行的には苦戦したが、スラップスティックの過剰なエネルギーを再評価する声も多い。IMDb5.8点。

映画基本情報

タイトル:1941(1941)
公開年:1979年
監督:スティーヴン・スピルバーグ
脚本:ロバート・ゼメキス、ボブ・ゲイル
音楽:ジョン・ウィリアムズ
出演:ジョン・ベルーシ(ケルソー大尉)、ダン・エイクロイド(ツリー軍曹)、クリストファー・リー(クラインシュミット大佐)、三船敏郎(三村大佐)、ロバート・スタック(スティルウェル少将)
上映時間:146分(ディレクターズカット版)
製作:ユニバーサル・ピクチャーズ・コロンビア・ピクチャーズ
アカデミー賞:視覚効果賞・撮影賞・音響賞ノミネート

あらすじ

1941年12月、真珠湾攻撃の直後。西海岸カリフォルニアに日本軍が上陸するという恐怖がロサンゼルス市民を完全にパニックに陥れる。民間人から軍人まで、全員が「戦争の使命感」に燃えながら、実際にはただ大混乱を引き起こすだけだ。

一方、日本軍の潜水艦は本当にロサンゼルス沖に出現していた。艦長の三村大佐(三船敏郎)はハリウッドの工業施設を爆撃する標的を探し、ドイツ軍将校クラインシュミット(クリストファー・リー)とともに作戦を進める。

狂気のパイロット、ケルソー大尉(ジョン・ベルーシ)が空を飛び回り、愛国心に燃える市民たちが大砲を撃ちまくり、ダンスホールでは乱闘が始まる。アメリカは大丈夫なのか……?

心に残る名言集

名言①「ハリウッドへ——そして栄光へ!」

“To Hollywood… and glory!”
― マドックス大佐(ウォーレン・オーツ)

IMDb・Wikiquote確認済み。狂気のマドックス大佐が突撃命令を下す台詞。戦争への過剰な意気込みと実際のドタバタ感が同居するこの映画のトーンを象徴する一言。

名言②「戦争神経症? 誰が言った?」

“War nerves? Who said war nerves?”
― ケルソー大尉(ジョン・ベルーシ)

IMDb・Quotes.net・Movie Mistakes確認済み。ラジオが「ただの戦争神経症だ」と伝えるのを聞いたケルソーが激昂する場面。ベルーシのコメディの本領が炸裂する瞬間。

名言③「これはカリフォルニア州ではない——狂気の状態だ」

“This isn’t the state of California, this is a state of insanity.”
― スティルウェル少将(ロバート・スタック)

IMDb・Wikiquote・Quotes.net・Movie Mistakes確認済み。パニックに陥った市民と軍人たちを前に、大将がため息交じりに呟く台詞。映画全体のカオスを一言で言い表した名言。

名言④「今年は1941年が大きな年ではなかった。1942年が大戦の年になるだろう」

“You know, this year wasn’t the big year of the war, ’41. I think the really big year is going to be 1942.”
― ツリー軍曹(ダン・エイクロイド)

IMDb確認済み。戦争の本当の始まりを暗示しながらも、全体的な混乱がちぐはぐなドタバタに終わったことを締めくくる台詞。歴史的な視点とコメディのずれが絶妙。

名言⑤「本物の日本兵か?——木製の日本兵だ、チーター。何だと思ってた?」

“Real Japs?” “Nah, wooden Japs, Cheetah. What do you think?”
― ジョーンズ二等兵&ケルソー大尉(ジョン・ベルーシ)

IMDb・Quotes.net・Movie Mistakes確認済み。部下の間抜けな質問にケルソーが冷たく答える場面。ベルーシの毒舌コメディセンスが光るやりとり。

こんな人におすすめ・必見シーン

スラップスティックコメディが好きな方、スピルバーグの全作品を制覇したい方、ジョン・ベルーシ・ダン・エイクロイド・三船敏郎のファンにおすすめ。「あのスピルバーグがここまで弾けた」という意味でも必見の一作。

必見シーン①:ダンスホールの乱闘。軍人と市民が入り混じっての大乱闘が繰り広げられるダンスホールのシーン。ジョン・ウィリアムズのスウィング音楽に合わせた「暴力のコレオグラフィー」が圧巻。

必見シーン②:ジャック・ニコルソン(主役ではない)張りのケルソー大尉の乱舞。ベルーシが操縦席でひたすら暴れながら友軍機を撃墜しかけるシーンは、コメディの限界に挑む迷演技。

必見シーン③:映画の冒頭。「ジョーズ」のオマージュとして、海から大きな影が迫る場面から始まる。正体が判明した瞬間に笑いが起こる、スピルバーグの自虐的なオープニング。

登場人物紹介

ケルソー大尉(ジョン・ベルーシ):狂気のパイロット。日本軍を探して西海岸を飛び回るが役に立たない。映画の核となるキャラクターで、ベルーシの身体を張ったコメディが全編を通じて炸裂する。

ツリー軍曹(ダン・エイクロイド):愛国心だけは本物の戦車兵。理屈だけは完璧だが実行が伴わない。エイクロイドはSNLのコンビであるベルーシと本作でも掛け合いを見せる。

三村大佐(三船敏郎):日本潜水艦の艦長。ハリウッドを爆撃しようとする作戦を立てるが、部下や同乗のドイツ将校に振り回される。三船は日本語のみで演技し、全篇字幕付きで出演する。

作品データ・制作秘話

撮影中の爆破シーンがあまりに大きくて、スピルバーグが「カット!」と叫んでも聞こえず、プロップマシンガンを空に向けて発射してスタッフに合図するしかなかったという逸話がある。

ジョン・ベルーシが飛行機の翼から滑り落ちるシーンは本物のアクシデント。ベルーシが実際に滑ってしまったが、キャラクターに合っていたため映画にそのまま使用された。

興行的に失敗した後、ジョン・ベルーシはロサンゼルスでスピルバーグの名前をもじった「スティーヴン・スピルバーグ 1946-1941」と書いたTシャツを着て歩き回ったという逸話がある。

総評・おすすめ度

おすすめ度:★★★☆☆(3/5)

スピルバーグらしからぬ「フル爆発コメディ」として、唯一無二の作品。「ジョーズ」「未知との遭遇」で世界を席巻した直後に、これほど無軌道な映画を作ったという事実だけで見る価値がある。ただしコメディとして笑えるかどうかは人によって大きく分かれる。

「スピルバーグのすべての作品」を見ている人には必須。初めて見るスピルバーグ映画としてはおすすめしないが、「あのスピルバーグがここまで」という驚きは本物だ。

※ 名言の検証について:コトバミンに掲載している名言は、IMDb・Wikiquote・Rankerなど複数の海外データベースで原文を検証済みです。コトバミンでも以前から取り上げてきた名言については、今回改めて原文を照合・確認しています。検証プロセスの詳細はこちらをご覧ください。